RIOの日記

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「その女アレックス」(ピエール・ルメートル著)を読んだ感想 - 残虐だけど悲しいストーリー(ネタバレあり)

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2015年のこのミスの海外部門で1位となった本作。
Kindleの整理中に、買ったままずっと手付かずのことに気付きました。
 
読み始めたら面白すぎてあっという間に読了。
調べたらこのミス、本屋大賞に加え海外の文学賞も複数受賞していました。
それも納得の面白さ!
 
以下、ネタバレを含んだ感想を紹介していきます。

あらすじ

英国推理作家協会賞を受賞した大逆転サスペンス。貴方の予想はすべて裏切られる!

おまえが死ぬのを見たい――男はそう言って女を監禁した。檻に幽閉され、衰弱した女は死を目前に脱出を図るが……。
 
ここまでは序章にすぎない。孤独な女の壮絶な秘密が明かされるや、物語は大逆転を繰り返し、最後に待ち受ける慟哭と驚愕へと突進する。
 
「この作品を読み終えた人々は、プロットについて語る際に他の作品以上に慎重になる。それはネタバレを恐れてというよりも、自分が何かこれまでとは違う読書体験をしたと感じ、その体験の機会を他の読者から奪ってはならないと思うからのようだ」(「訳者あとがき」より)。
 
未曾有の読書体験を、貴方もぜひ!
Person Wearing Black Zip Hoodie Sitting in Front of Gray Wooden Plank Wall during Nighttime

感想

想像力を掻き立てられるストーリー

あらすじにもあるとおり、若くて美しい女性が誘拐されるところからこのストーリーは始まります。
三部構成の作品ですが、一部ずつ終わっていくにつれ、まったく予想していない方向に話が進み、序盤のうちから、「今読んでいるストーリーも、ひょっとして何か裏があるのでは?」と勘ぐりながら読み進めていました。
 
アレックスの謎の全てが小説の中で明らかにされるわけでは無いので、読み終わった後も彼女の人生や胸の内を色々想像させられます。
 
事件に関わった人全員、頭がイカれていたっていう状況だったので、すべてを合理的に解き明かすということ自体が不可能だった、という気もしますが・・・。

復讐心と正義

  • アレックスを誘拐した犯人。
  • アレックスが次々と殺していった犠牲者たち。
 
すべての動機は復讐にあります。
やっぱ、人を恨む気持ちの怖さや強さって恐ろしい。
 
復讐心ゆえに殺し方、拷問方法もかなり残虐でその描写は生々しいです。
 
日本のことわざ「人を呪わば穴二つ」って、やっぱりそのとおりなのかも。
捨て身の復讐劇の恐ろしさに、背筋が寒くなるほどでした。
 
 
そして、復讐がきっかけということは、被害者はそれぞれ過去に恨みを買うほどの何かをしていたということ。
私は女性なので、アレックスの過去は、小説であっても読んでいて辛いものがありました。
 
でも、「それで人を殺すことを正当化されるのか?」と聞かれると・・・難しい。
心情と理屈は、時に相反するので。
アレックスに殺されていった人たちは、因果応報というにはあまりにも残虐な最期。
 
それにしても、復讐や怒りの感情って人を突き動かす一番強いパワーなのかも
 
アレックスは負の方向に突き進んでしまったけれど、上記の記事のように怒りがプラスの原動力になることもある。(もちろん、アレックスの場合はプラスの原動力にするにはあまりに辛く厳しい過去だったけれど・・・)

最後に

この作品、実はシリーズの二作目
一作目を読んでいなくても問題ないけれど、順序だてて読みたい場合は悲しみのイレーヌを先に手に取りましょう♪
 
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