マシュー・マコノヒーと渡辺謙がメインを演じた映画「追憶の森」を鑑賞。
映画館の予告だけを見て結構気軽な感じてきたので、最初は富士の青木ヶ原樹海で自殺を試みる2人が出会って、人生の希望を取り戻していく、人間ドラマ的な作品だと思っていました。
でも実際は、2人の男たちの心の交流以外にも謎解き的な要素やファンタジー的な要素が含まれた、奥深いお話でもあります。
「グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち」のガス・バン・サント監督が、自殺の名所として知られる日本の青木ヶ原樹海を舞台に、マシュー・マコノヒー&渡辺謙共演で描いたミステリードラマ。自殺するために青木ヶ原へやって来たアメリカ人男性が、そこで出会った日本人男性との交流を通じて再生していく姿を描く。人生に絶望して自殺を決意したアーサーは、富士山麓に広がる青木ヶ原樹海を訪れる。磁石が狂い携帯電話も通じない森の中で、出口を求めてさまよう日本人男性タクミと遭遇したアーサーは、怪我を負っているタクミを放っておけず一緒に出口を探すことに。過酷な状況に立たされる中、アーサーは運命共同体となったタクミに次第に心を開いていく。やがてアーサーは、自分が死を決意するきっかけとなったある出来事について語りはじめる。アーサーの妻役に「21グラム」のナオミ・ワッツ。
感想
鑑賞直前になんとなく見てた口コミサイトで、「追憶の森はカンヌ国際映画祭でブーイングを受けた」という話を聞いて、一体どれほどヒドイ内容なのかと少し心配になったけど、実際は内容はそんな悪くなかったかな。
どうやらブーイングの理由は、アメリカ人が自殺するためにはるばる飛行機だけで12時間以上もかかる青木ヶ原樹海に行かないだろう」ということみたいです。
青木ヶ原樹海の詳しいことは知らないけど、外国人がはるばる飛行機乗ってくるものなのかな、という疑問は持ちました。
作品の中ではドイツ人の自殺者の遺体に出くわすシーンはありますが。
というか、この作品はたぶん細かい矛盾とか疑問をつっこんでたら楽しめないタイプの作品。それ以外にもたくさん突っ込みどころがあったので(笑)
本作は、マシュー・マコノヒー演じる大学の助教授アーサーの人生を軸に描かれています。このアーサーの人生というのが、私は個人的に全く共感できなかった。
でも、隣に座っていた中年の女性は涙を流しながら見ていたので、感性は人それぞれなんだなと改めて実感。
何よりもアーサーの結婚生活に対する考え方や一つ一つの行動が無理。
よく奥さん(ナオミ・ワッツ)は離婚しなかったな、と。
作品は、青木ヶ原樹海のシーンとアーサーの結婚生活のシーンとが交互に少しずつ描かれていく構成になっていますが、大分前半で「私なら即離婚してるわ」と思い、その後何度そう思ったことやら。
なんか結局青木ヶ原樹海には妻との別れやなんやに絶望したので自殺しに来てる感じだったけど、その前にいろいろできること山ほどあって、何をいまさら感がぬぐえず、登場人物の心情にはまったく感情移入できなかった。。。
それにしても、この作品を見て、マシュー・マコノヒーと肩を並べてメインを張った渡辺謙は、日本人としても誇り高いですね。トニー賞にもノミネートされたことあったけど、やっぱあの年にして挑戦心や自己研磨を怠ることなく高みを目指す姿はかっこいい。
ハリウッドの第一線で活躍する実力ある日本人が増えるといいな。