1950年代のアメリカの雰囲気が満載、古さの良さやレトロ感が存分に表れた、コーエン兄弟の映画愛あふれる作品でした。
あらすじ
「ノーカントリー」「ファーゴ」のジョエル&イーサン・コーエン兄弟が、ジョシュ・ブローリン、ジョージ・クルーニー、スカーレット・ヨハンソン、チャニング・テイタムら豪華スターを迎えて描いた監督作。1950年代のハリウッド。あるメジャースタジオの命運を賭けた超大作映画「ヘイル、シーザー!」の撮影中、主演俳優で世界的大スターのウィットロックが何者かに誘拐されてしまう。撮影スタジオは混乱し、事態の収拾を任された何でも屋が、セクシー若手女優やミュージカルスター、演技がヘタなアクション俳優ら個性あふれる俳優たちを巻き込み、事件解決に向けて動いていく。コーエン兄弟監督作常連のフランシス・マクドーマンドやティルダ・スウィントン、レイフ・ファインズ、ジョナ・ヒルらも出演。
コーエン兄弟といったら、ファーゴやノーカントリーが有名でしょうかね。今年の1月に日本で公開されたブリッジ・オブ・スパイの脚本なんかも担当したそうです♪
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ブラックユーモアたっぷり!だけど…
映画全体は軽快なリズムや雰囲気。
「コメディサスペンス」と分類されていたけれど、コメディの要素も強く、特に登場人物同士の掛け合いはかなり面白く、何度も笑わせてもらいました。
映画の製作中の出来事を描く本作。
製作中の作品についてプロの意見を聞くシーンがあるのですが、それが特におもしろい!
キリスト生誕の描写について、カトリック、ユダヤ教など様々な宗派の牧師や神父が意見を交わし合うのですが、セリフの掛け合い自体は非常にコミカルで、だけど内容はうまく各宗派の特徴をついていて、笑いが止まらなかった。
ある程度知識があった方が楽しめる!?
宗教やアメリカの歴史、1950年代のアメリカの様子や共産主義の進出の様子、古い映画へのオマージュなど、この映画にはたくさんの要素が含まれています。
ただ、私自身あまり(というかほとんど)何も知らないので、きっともっと面白さはあったと思うけど、それが分からなかった。
無知を悔しく思ったのは久しぶりだー(笑)
例えば、宗教一つとっても、キリストを祭る宗教もたくさんあり、それぞれ何を神とするのかも違えば歴史認識も違う。
知っていれば、もっと掛け合いの内容の面白さも分かったと思うので、やっぱりちょっと残念(自分に対して)
目の前にフルコースでたくさんの種類のごちそうが並んでいたけど、消化機能不足によって、なんとなく消化不良で終わってしまった、というような感じです。
コアな映画ファンほど、楽しめる作品なのかも。
豪華俳優陣と、それぞれの個性が光っていた
ジョージ・クルーニーは、誘拐されてしまう大物俳優を演じていたのですが、ローマ時代さながらの衣装のまま誘拐されてしまったり、セリフをいいところで噛んでしまったりと、ちょっと間抜けな役がなんだか板についていました。
※最近のジョージ・クルーニーの映画といえば「ゼロ・グラビティ」。 ヘイル・シーザーの役とは違い、頼りがいのある宇宙飛行士の役を演じてました。
あとはやっぱり印象的だったのはチャニング・テイタム。
タップダンスは圧巻。3ヶ月のもう特訓の成果らしいけど、3ヶ月であそこまですごいダンスができるようになるものなのね…。
10年後に改めて見たい
知識不足もあって、ストーリー自体は、「分かったような、分からなかったような…」という中途半端な感じ。
いや、きっとコーエン兄弟に罪はない(はず)。
10年あれば、色々経験して人間としても幅が増えてるだろうし、見る映画も断然増えてるだろうから、そうなったらもう一度見てみたら、どう感じるのか楽しみだなって思います。
この作品を一度見て、おもしろさを十分堪能して高評価をつけてる人がうらやましいです!