米倉涼子はすごかった
米倉涼子がCHICAGOでROXIE役を再度演じるということで、せっかくアメリカにいることだし、ニューヨーク・アンバサダーシアターへ行ってきました。
後述のとおり色々と思うことはあったけれど、単純に「米倉涼子ってすごいな」と思いました。
英語が母国語ではないというハンデがありつつも、精一杯ROXIEを演じている体当たりな姿勢がストレートに伝わって来て、とても励みになりました。
英語の発音
私はこれまで、「アメリカ在住●年!」と(こちらが聞いてもいないのに)声高らかに自慢する割りに、英語がショボイ人を何人も見てきました。
ですが、彼女の英語のセリフは思ったよりもかなりナチュラル。
発音もそうだし、フレーズの区切り方とか抑揚のつけかたもとてもナチュラルで、相当な努力と練習を積まれたことが伝わって来ました。
スタイル
CHICAGOは男性も女性も、みんなきわどい衣装なのが特徴。
アジア人はどうしても他の国と比べると身長が低かったり、細っこい印象。
でも米倉涼子は元モデルということもあり、他のキャストと遜色ないスタイルで「コスプレ感」もなかった。
日本の劇団が演じるブロードウェイのミュージカルを見たこともあるけれど、「コスプレ感」に溢れていて、全然世界観に入れず興ざめすることも。でも彼女の場合は、そういうチープさがなかった。
変に金髪にしなかったのもよかった原因かな。
幼い頃はバレエをされていたそうで、そういうバックグランドも今回の成功に結びついたんじゃないかなぁと思います。
やっぱり、女優さんは演技力だけではなく色々なスキルがないと厳しい世界なのかもしれないですね。
イマイチだったポイント
ROXIEが日本人の設定
見た目、完全なアジア人ですからね。
オリジナルの設定を貫くのは無理があったのかもしれないけれど、でもさすがにROXIEが日本人設定っていうのはちょっと不自然でした。
彼女を主演にする以上、そこは避けて通れなかったんでしょうね。
声量と歌唱力
彼女も歌、上手でしたけど、他の出演者と比べるとどうしても見劣りしてしまいます。
声量も、ちょっと足りなかった。
ブロードウェイの他の作品も何度も見たけれど、やっぱりメインの役を演じる役者さんたちは、歌で感動させるパワーを持っていることを実感したけれど、米倉さんの歌では心を揺さぶられるということはなかったです。
Roxieの弁護士・Flynnを演じた俳優さんは、声量・歌声が圧倒的で拍手・喝采を受けていました。やっぱり、そういうミュージカル俳優らしいスキルがやや不足していたかなぁって思います。
それでもやっぱり素晴らしかった
彼女の起用は、単に実力以外の思惑も多々あるんじゃないかなぁと思っています。
米倉涼子が主演する日は、観客の多くが日本人で、彼らは劇場で売られているパンフレットなどのグッズをたくさん買っていました。
今年の2月に通常の上映を鑑賞した際にはそこまでではなかったので、きっとそういう大人の事情もあったのでしょう。
でも、やっぱりこれだけ歴史のあるミュージカル作品の主演としてキャスティングされることはすごいこと。
そして、これだけの注目やプレッシャーの中、主役という大役を果たした彼女の根性にただただ感心し、尊敬します。
8月から、渋谷で日本凱旋公演も行われるらしいので、そちらでの更なる活躍を祈っています☆
ブロードウェイミュージカル シカゴ 20周年記念ジャパン・ツアー | ラインナップ | 東急シアターオーブ|TOKYU THEATRE Orb
※2019/2/1追記:
今年も米倉涼子がブロードウェイの舞台に立つことが発表されました!
彼女のますますの活躍を願ってます★