2017年は、大晦日もシアターに足を運んで映画を鑑賞。
例年以上に映画館で映画を観る、ということにこだわった1年間でした。
96本鑑賞した新作映画の中から、私のお気に入り作品20本を紹介します。まだ公開中のもの、これから日本公開のものでもし気になるものがあればぜひ。すでに劇場公開が終了したものも、DVDやストリーム配信でまだまだ観るチャンスはあります!
順不同、紹介文に多少ネタバレが含まれます。
ラ・ラ・ランド
夢追い人とその恋愛模様を描くミュージカル作品。
冒頭のワクワクした雰囲気から一転、最後に切なく終わっていく展開に、感情を終始揺さぶられました。人生は選択の連続で、たった一つの決断が大きく人生を変えてしまうことを改めて感じさせてくれました。
舞台となったLAの街並みや、作品全体のカラフルなファッション・映像が美しい。
ダンケルク
物語ではなく戦場そのものを表現した映画、というコンセプトの斬新さに加え、映像・サウンドを使ってこれほど臨場感溢れる映像作品が出来るのかと衝撃を受けた。
アメリカではIMAXシアターに注目を集めるきっかけにもなった。
IT /イット それが見えたら、終わり。
普段ホラー映画は見ないし好きでもないけれど、社会現象とまで呼ばれるほどの人気だったためトライしてみたら、もちろんピエロは怖いけれど、子供達のブレイブストーリーや淡い初恋など、物語として純粋に楽しめた。
これを機に前作も見返したいし、2019年に公開予定の続編にも期待。
gifted/ギフテット
数学の才能を持つ少女とその叔父とのファミリーストーリー。
正解のない子育ての難しさと、家族の多様な形を示してくれた作品。温かみのあるファミリーものの作品が好きなので、この作品と後述するWONDERは特に印象に残っている。天才数学少女のメアリー役を演じたマッケンナ・グレイスの天使ぶりにも心癒された。
ハクソー・リッジ
メル・ギブソンが監督を務め、沖縄戦で武器を持たず軍医として多くの兵士を救ったデズモンドのストーリー。
戦場の過酷さやむごさをリアルに描いた映像は見ていて気分が悪くなるほど。でもいまも世界の何処かで戦争で辛い思いをしている人もいて、目を背けてはいけない現実でもあることを思い知る。
多く命を落とす絶望に満ちた戦争をテーマにした中で、デズモンドの行動の中にある希望が際立っていた。
シェイプ・オブ・ウォーター
美しい。
鑑賞後、余韻に浸りながらこの一言に尽きる。
レトロ×ファンタジーの雰囲気の中で人間と怪物の恋物語が描かれる。
現実離れした設定故に恋愛自体に共感できるかは人に拠る部分が大きいけれど、作品の雰囲気にぜひ酔いしれていただきたい。
『シェイプ・オブ・ウォーター』予告編 | The Shape of Water Trailer
ゴッホ〜最期の手紙〜
アメリカに来てから多くの博物館を巡りゴッホの油絵を見る機会が多い1年だったけど、そんな油絵が動くなんて思いつきもしなかった。
世界中のクリエーターたちの力の結集であるアニメーション自体も素晴らしかったし、それまで詳しく知らなかったゴッホの人生の物語も胸に沁みた。
LOGAN ローガン
ヒュー・ジャックマンがウルバリン役を卒業することを表明した作品でもあり、それを踏まえてか、心に残るラストの描き方だった。
ローラを演じたダフネ・キーンの憂いを帯びた表情が印象的。
X-MENというアメコミシリーズでありつつも、ローガンという一人の人を描き切った骨太ロードムービーでもあったため、アメコミらしい雰囲気を期待すると物足りないかも。私は逆にその重々しい雰囲気が好きだった。
ザ・ディザスター・アーティスト
「伝説級の駄作」として名を残す映画「ザ・ルーム」が作られた背景を描く、実話を元にしたストーリー。ジェイムズ・フランコとその弟とが兄弟の息ぴったりにメインの役柄を演じており、年明けの賞レースでも注目作品。
アトミック・ブロンド
これを見たら、シャーリーズ・セロンに男も女も魅了されてしまうこと必至。アクションの見応えもさることながら、エロティックさも兼ね備えた完璧スパイ。
誰も信じられない裏切りに次ぐ裏切りというべただけどスパイ映画らしい展開もよかった。
WONDER
生まれつき人と違う見た目の少年が、ホームスクールから実際の学校への通学に変える。いじめや偏見に耐えながらも徐々に社会と繋がっていく様子と、それを支え見守る家族や友人のストーリー。今年鑑賞した新作映画で一番泣いた。
バトル・オブ・ザ・セクシーズ
1970年代の実際の出来事・男女間の世紀のテニス対決を描く。プロのテニスプレーヤーを演じきったエマ・ストーンの演技が光る。女性や同性愛者への差別や偏見がはびこる当時の社会状況も描き、見応え満点。
KUBO/クボ 二本の弦の秘密
ストップモーションで作られた傑作作品。映像の美しさにただただ感動。
ハリウッドが作る日本が舞台の作品って日本人がみると違和感があったりする部分もあるけれど、この作品はとてもよく日本の文化を調べていることが伝わって来た。その上で、日本だけでなく他の文化も織り交ぜながら「KUBO」という作品独自の世界を作り上げていて見事だった。
最後の追跡
大作映画でヒーローものばかり演じている「イケメン優等生」のイメージだったクリス・パインの、一皮向けた良い演技が印象的。兄弟役のベン・フォスターはさすが。終盤の兄弟の別れのシーンが印象的で、鑑賞から1年経っても忘れられない。
スター・ウォーズ 最後のジェダイ
過去作への敬意や愛を感じつつも、現代・未来に向けて舵を切った思い切りを感じた。そういう意味で賛否両論あるのは当然だが、素晴らしい過去作の延長ではなく、そこから進化し新しさを産み出そうとする製作側の決意に私は好感をもった。
ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男
上述した「ダンケルク」で描かれた戦いの裏話、というわけではないが、戦地から離れた政治の現場の駆け引きがみれる。
ゲイリー・オールドマンがチャーチル首相を演じていたが全く別人のよう。私の中で、バットマンシリーズのゴードン刑事のイメージだったから余計気づかなかった。
シーン中の本棚が印象的だなぁ、なんて思ってたら、実はチャーチル首相は本の虫だそうで。細部のこだわりが感じられた。
キングスマン ゴールデン・サークル
ベイビー・ドライバーと迷ったけど、続編は劣る、という"映画あるある"を見事に覆してくれたこと、私自身前作の大ファンだけど存分に楽しませてくれたことからオススメの一作に。
日本でも前作は人気だったにも関わらず、こんなに日本での公開が遅くなるのは納得いかない〜!
レディ・バード
年の近い女性が監督だったからか、内容に共感しまくり。高校時代に抱いていた東京や一人暮らしへの憧れや、上京当日の寂しさ、恋愛に焦る気持ちなど、懐かしいし共感するし、舞台のサクラメントの穏やかな田舎の風景もよかった。
スリー・ビルボード
2018年の賞レース注目作、人間味溢れるヒューマンドラマ。
こんなに感想を書いたり言葉で表現するのが難しい作品に出会ったのは初めてで、そういった意味でも記憶に残っている。
君の名前で僕を呼んで
青年2人の一夏の淡い恋を描くラブストーリー。夏のイタリアの自然にあふれ穏やかに時が過ぎる中で、少しずつ心の距離を縮める2人の姿がピュア。劇中で流れるピアノのサウンドも、作品を際立たせていた。
CALL ME BY YOUR NAME - Trailer
2017年の映画を振り返って
まだまだ載せきれないほど、お気に入りの作品にたくさん出会えた一年でした。Twitterの「#2017映画ベスト10」を見ると、他の映画ファンの皆さんもこの1年でお気に入りの作品にそれぞれ出会えているみたいで、読んでいるだけで楽しい♪
期間の限られたアメリカでの生活ということで、気になった作品はなるべく劇場に足を運び、他の観客と一緒に楽しむことを心がけた1年間でした。
一方、見逃してしまった作品はそのままになってしまったので、2018年は新作映画だけでなく、見逃してしまった作品もキャッチアップしたいです。 未見の中だとゲット・アウトとパターソンが気になってます。早く見たい(>△<)
アメリカでの映画鑑賞は楽しい♪リアクションがわかりやすいんですよね。笑いどころはみんな爆笑だし、気に入った作品はエンドロールで拍手がよく起こる。鑑賞料金は劇場や時間帯によって幅広く、安いとIMAXでも20ドル以下で見れちゃうから、気軽に映画を楽しめるし、日本より身近なエンターテインメントなのかも。
★2018年も、たくさん映画を楽しみたいと思います★