あなたは"FIRE"という言葉を聞いたことがありますか?
Financial Independence, Retire Early
経済的に自立し、早期リタイアする
という意味。
この本は、
- 極貧の中国系移民の子供として育ち、
- 普通の大学を出て普通の会社員となり、
- 31歳で億り人*1を達成した女性
が、具体的にどのように早期リタイアを実現したのか、リアルな体験談を綴った一冊です。
時間は、どんな人にも平等です。
一度しかない人生、週5日40時間を会社のために使うのか。
それとも、自分のしたいことをして過ごすのか。
早期リタイアは、定年より少し前に退職する、つまり50代後半〜60代の人だけの話ということでは、決してありません。
✔️30代、40代に早期リタイアして、自由に過ごしたい
✔️起業や投資といった手法以外の、再現性の高い資産形成の手法を知りたい
✔️自分はあまり取り柄のない普通の会社員だが、早期リタイアを目指したい
『FIRE 最強の早期リタイア術』
— Rio (@nami11star1) June 14, 2020
貧しい中国系移民で普通のOLだった筆者が、大学卒業後31歳までに1億円を貯めて早期リタイアを実現した秘訣が満載の一冊。
私にも出来そうな内容で、勇気付けられます✨
一度しかない人生、会社に縛られない自由な生き方に憧れる😊https://t.co/p4BejCOQHQ pic.twitter.com/hZ2EfkteDw
早期リタイアのヒント
「30代で1億円も貯めてリタイアするなんて、どうせお金持ちの子供でしょ?」
と、私も本を読み始める前は半信半疑でした。
ですがクリスティーは、私よりもずっとずっと貧しいところから這い上がった、強い女性です。
- ごみ収集所から使えそうなものをあさり、
- 父親の事情でカナダ移住後も、プレゼントは0.5ドルのセール品のおもちゃを買ってもらい、両親は稼いだお金のほとんどを中国にいる親族に仕送りする
そんな幼少時代を乗り越えて早期リタイアを実現したクリスティーが提唱する秘訣を、いくつかご紹介しようと思います。
大学の専攻は、好きな分野から選ぶ?
あなたが高校生の時に興味を持つことが、30代、50代になった時も同じように情熱を傾けていられる可能性は、あまり高くないのではないでしょうか。
そのため、クリスティーは好きなことを専攻にするのではなく、学費と卒業後の収入をスコア化して決めたのです。
- 学生時代からインターンを使って学費が返済でき、卒業時に学費の負担が少なく、
- 手に職がつき卒業後もすぐ仕事に就けて、
- 給与水準も良い
という条件を満たすコンピュータ・エンジニアリングを専攻し、卒業後はエンジニアになります。
エンジニアの年収も、普通の会社員の平均より多いくらい。
彼女が当時生活をしていたのがトロントだということを踏まえると、非常に高収入という訳ではないと思います。
早期リタイアの達成は、年収ではなく貯蓄率による
年収500万年くらいの普通の会社員であっても、早期リタイアは可能。
筆者は、本書の中で次のように述べています。
リタイアまでの期間は、あなたの年収に左右されるわけではありません。あなたの貯蓄に左右されるのです。これは直感的にわかると思います。年収100万ドルでも年に100万ドル使えば、あなたは決してリタイアすることはできません。生活費の100パーセントを仕事に頼っているからです。
では、早期リタイアのカギである貯蓄率を上げるためには何ができるでしょうか。
- あなたの幸せに直結しない支出(銀行の振込手数料等)を削る
- 削ると最初は苦痛だが、徐々に慣れるような支出を削る(ランチの持参、外食を控える、等)
- 維持費のかかる所有物を減らし、想定外の費用を削る(車を保有すると保険料や税金に加え、事故の際の想定外出費がかさみます)
- 自分へのご褒美は忘れずに
貯蓄率と早期リタイアまでの年数の表は本書をご覧いただければと思いますが、一例を挙げると、貯蓄率30%*2だと20年ほどで早期リタイアに必要な資産を形成できます。
早期リタイアに必要な金額はいくら?
早期リタイアを実現するために必要な資産額は、それぞれの生活費によって異なりますが、その金額は、
必要な年間支出×25*3
で算出できます。
例えば、月30万円で生活する家族の場合は、
30万円×12ヶ月(=1年間)×25=9千万円
ということになります。
と・・・とてつもない金額だね。。
本書では、会社員として働いて得た給与を貯蓄するだけではなく、そのお金の効率的な増やし方(つまり運用方法)についても説明されています。
銀行口座に預金として置いておいても、メガバンクの場合、普通預金で0.001%、定期預金でも0.002%。
つまり、100万円預けても利息は100円、しかもそこに税金までかかります。
本書では投資信託をメインに紹介されていましたが、個別株投資や不動産投資など、資産形成はあなたに合ったやり方を模索するのが良いと思います。
私は、投資信託をメインにしつつ、個別株投資が好きなので気に入って銘柄を余剰金で買って運用しています。
旅行をしていた方が、一箇所に住むより安上がり
あなたは【旅行=贅沢、お金がかかる】と思っていませんか?
少なくとも、私はそう思っていました。
試しに彼に「著者がパートナーと一年間世界中を旅行するのに使ったお金はいくらだと思う?」と聞いたところ・・・
1000万円くらい?!
との回答。
でも実際には、保険料や飛行機代などを含め400万円程だったそう。
「旅行=贅沢」という固定観念がありますが、工夫次第では一箇所に定住するよりも安く過ごせます。それに加えて、世界中を旅をするという体験まで手に入れられるので一石二鳥ですよね。
また、タイやマレーシアといった生活費が安い国に移住すれば、上記で紹介した早期リタイアに必要な資産額をより低く設定することも可能です。
その他、印象に残ったクリスティーの言葉
極貧から、普通の会社員として早期リタイアを達成したクリスティーだからこそ、その発想や考え方、ふとした言葉から学ぶことが多かったです。
- 政府に頼るという発想は嘲笑もの。政府は国民を助けようなどとは思っていない。➡︎「政府が何もしてくれない」と文句を言うのは意味がなく、自立できるよう努力することが大切。
- モノを多く所有しても、幸福度は上がらない。その一方、旅行などの"体験"は、その回数と幸福度が比例して上がっていく。➡︎どんなことにお金を使うのか、よく考えよう。
- あなた自身が新たな道を開拓する必要はない、他の人がすでにやっているので、それを真似すればいい。➡︎早期リタイアと聞くと経済的な不安も大きいけれど、もしそれがあなたが目指したい道なら、少しの勇気さえあれば叶う!
自立と勤勉さと勇気。
言葉にすると立派に見えますが、誰にでもできることだと思います。
1億円・・・果てしない数字に見えるけど、不可能はないと信じ、今日からコツコツ頑張りたいと思います。
他にもオススメなお金について学べる本
30代になり、徐々にお金や資産について自分なりに勉強するようになりました。
学校では学べないけれど、生きていく上でお金について知ることは欠かせません!
①日本人でFIREを達成したサラリーマンの体験談を学べる一冊:『本気でFIREをめざす人のための資産形成入門』
②お金の初心者だった私がまず読んでみた本
③大富豪と呼ばれる人の思想や行動を、身近な第三者がまとめた一冊