2020年のアカデミー賞・脚本賞にノミネートされた『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』を鑑賞。アカデミー賞脚本賞にもノミネートされ、公開後のポジティブな口コミばかりだったので、とっても気になっていました。
『ナイブズ・アウト』
— Rio (@nami11star1) February 8, 2020
こんなに王道の推理物、とっても久しぶりに観たかも。しかも、完全オリジナル脚本ってことにびっくり!とても練られていて、観終わるとスカッと気持ちいい。
ハーランの館のデコレーションも胸躍る😍理想の部屋だなぁ。広すぎず、好きなものに囲まれて居心地最高そう✨ pic.twitter.com/LwRQ6759oz
この作品は、絶対に前情報ゼロで観た方が楽しめると思うので、未見の方はそっと画面を閉じていただければと思います😂
(以下ネタバレを含みます)
オリジナル脚本
大富豪のミステリー作家とその家族という登場人物の設定、手の込んだトリック、犯人の周到さ…当然原作本があると思っていたら、ライアン・ジョンソンが完全オリジナルで作り上げた脚本だということを知ってびっくり!ミステリー作家の謎の死、遺産相続に躍起になる一族、一見他殺は考えられない現場、名探偵の登場…。こんなに王道のミステリー作品を観たのは久しぶりだったし、とても楽しかったです。
ライアン・ジョンソンといえば、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』の監督としても有名。「前作の失敗を乗り越えて傑作を送り出した」「逆転満塁ホームラン」っていう感想もちらほら見かけたけど、「最後のジェダイ」を普通に気に入っていた私にとっては、「今回もさすがです」という感想(笑)
割と前半にハーランの死の真相が描かれていたので、「絶対裏があるはずに違いない…」と、自分なりに推理しながら観ていたけれど…私はやっぱり名探偵は向いていないようです(笑)「コイツ怪しいぞ」と思った第六感は当たっていたけれど、それ以上は全く浮かびませんでした…。
マリファナの隠し場所とか、何も書いていないリンダへの手紙とか…細かい作中の小ネタが、最後に全て繋がっていて、細部へのこだわりにため息が出るほど。さらに、登場人物がみんなクセが強いっ!訛りの強い名探偵、嘘をつくと吐く看護師、不倫する義理の息子…でも、その個性もストーリーに欠かせない要素だったりするんですよね。
きっと脚本を作る工程は、推理小説を書き上げるのと同じような作業だったんだろうな、と思います。
豪華なキャスティング
名探偵ブランのダニエル・クレイグ、問題児の孫のランサムを演じたクリス・エヴァンス、亡くなった推理小説家ハーランを演じたクリストファー・プラマー等、誰もが知る俳優さんばかり。
また、出番はそれほど多くなかったけれど、『IT』シリーズで主人公ビルを演じたジェイデン・マーテル、ネットフリックスの人気ドラマ『13の理由』で自殺した女子高生・ハンナを演じたキャサリン・ラングフォードも出ていて「おっ!」と嬉しくなりました。
他に印象に残ったのは、ストーリーの舞台となった館のデコレーション!歴史を感じる豪邸でありながら、アットホームな温もりもあって、個人的な理想に近いおうちでした。
模型が多くてちょっと不気味でごたついているようにも見えたけれど(笑)、個人の趣味や好きなものが詰まったおうちっていいですよね。ハーランのお部屋は、さすが推理小説家だけあって本棚も立派。私もこんな大きな棚に、これまで買った本や映像作品を並べて、囲まれながら生活したい!
ちなみに。
タイトルの「ナイブズ・アウト(Knives Out)」の意味を調べてみると、Cambridge Dictionaryにはこのように書かれていました。
used to refer to a situation when people are being unpleasant about someone, or trying to harm someone:
「(人に対して)非難する、不快に思う、嫌いになる」といったニュアンスでしょうか。お金は人を狂わせる、なんて言われますが、途方も無いほどの資産をたった一人で築いたハーランとたまたま家族だっただけで特に何もしていないその家族たち。ハーランは家族のことを思って遺言の内容を書き換えたようですが、その家族たちは莫大な資産にしか興味がないようで。なんだか悲しいです。
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