Apple TV+で配信しているアニメーション映画『ラック 幸運を探す旅』を鑑賞。
(c) 公式ウェブサイトより
タイトルからも分かるとおり、ラック(Luck、運)がテーマ。
自称(?)世界一運のない女の子であるサムと、不吉の象徴とされる黒猫のボブ。
正真正銘、幸運から見放されたようなコンビが、運のなさと向き合い、どう乗り越えていくのか。
大人が見ても面白く、色々と考えさせられる一作でした。
『ラック 幸運を探す旅』
— Rio (@nami11star1) 2022年8月27日
「幸運と不運」をテーマにした映画っていうのが新鮮で、最後、不運をどう捉えるのかっていう考え方が面白かった🐈⬛
アニメーションもとてもキレイで、特にキャラクターたちの表情がイキイキして見えたのが良かった。
家族に猫がいる身としては、サムとボブの絆にウルッ🥹 pic.twitter.com/dF5hONcL48
アニメーション作品ならではの色彩や個性豊かな動物たちといったファンタジーな世界観も加わり、万人が楽しめると思います。
あらすじ、基本情報
世界で最も運の悪い女の子:サム・グリーンフィールドは、ある日突然見知らぬ"運の国"に来てしまった。
果たして彼女は、そこに棲む魔法の生き物たちと力を合わせ、自らの悪運を変えられるのか?
スカイダンスアニメーションが贈るファンタジーアドベンチャー。
※Apple TV+の作品紹介ページより引用
作品の総指揮を手掛けたのは、ジョン・ラセター。
ディズニー、ピクサーのアニメーション部門のトップを務めたこともある実力者ですが、ピクサー社内でのセクハラ行為をきっかけに同社を退社。
そんな彼がスカイダンスアニメーションに移籍して手掛けたのがこの作品というわけです。
キャラクターの表情(特に目とか…)がディズニーっぽいなぁ、と感じたけど、そんな事情も影響しているかも?!
アイルランドの文化
この作品は、アイルランドの文化や雰囲気が垣間見れます。
サムが迷い込んだ運の国でも、緑色の服を着たレプラコーンという妖精を参考にしたキャラクターたちが世の中の「運」のためのせっせと働いていました。
レプラコーンとは
- レプラコーンとは、「小さな体」を意味する。
- 悪霊の子供で堕落した妖精、とも言われる。
- 小さな皺くちゃの顔に胡麻塩のあごひげ、とがった鼻に輝く目をしている。
- 靴職人。
- お金を貯めるのが大好きで、虹のふもとに金貨の入った壺を隠している。
- レプラコーンを捕まえれば、お金持ちになれるという言い伝えがある。
この作品では幸運の硬貨が出てきて、レプラコーンたちはその金貨をせっせとキレイにする仕事をしていました。
これも、レプラコーンを最大限作品に反映した結果なのかもしれないですね。
アイルランドといえば、なぜ緑色?
アイルランドといえば緑と思い浮かべる人も多いと思います。
毎年春のセントパトリックスデーでも、緑色の服を身につけてパレードをする様子をテレビなどでもよく見ます。
私がアメリカに暮らしていた時も、セントパトリックスデーが近くなると、不健康そうなほどに緑色に着色されたクッキーやカップケーキがスーパーに並んでいたのを覚えています。
実は、アイルランドのお祝いで緑色を使うのもレプラコーンが由来だとか。
映画の中でもレプラコーンたちは緑色の服を身につけていましたが、アイルランドの民話のレプラコーンもまた、緑色の服を着た小さなおじさん、ということになっています。
レプラコーンはとてもイタズラ好きで、人間をつねることも多いそう。
(つねるとは…地味にダメージ受けるけど、かわいい…)
ところが緑色のものを身につけているとレプラコーンからは見えないので、つねられない、ということだそう。
アイルランドでレプラコーンがいかに根付いているのか、よく分かるね。
「君は運がいいか?」
運が良い/悪い、という話を聞くと、松下幸之助のエピソードを思い出します。
松下幸之助は、採用面接で必ず候補者に「君は運が良いか?」と聞き、「運が悪い」と答える人は採用しなかったんだそう。
ここで大事なのは、「実際に運の良い人を採用した」ということではなく、「自分は運が良いと考えている人を採用した」ということ。
つまり、自分は運が良いと考えている人は
- どんな状況でもポジティブな姿勢でいられる人
- 自分以外の人や環境に対して感謝の気持ちを持てる人
だと、松下氏は考えていたのでしょう。
私たちは一人一人性格も育った家庭環境も異なります。
私自身は、シングルマザーの家庭で育ったので、周りの友達と比較すればもちろん豪華な旅行に行ったこともないし、洋服とかおもちゃとか欲しいものもなかなか買ってもらえず、大学時代はとんでもなく安いアパートで一人暮らしをしました。
それでも、自分が不幸だ不運だと思ったことは一度もありません。
それはやはり、母親をはじめ支えてくれた周囲のおかげであることは間違いなく、私自身も今、子供を育てる立場になり、同じように娘を育てないといけないなと痛感しています。
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サムとボブも、運の国での冒険をきっかけにして「運」の考え方が大きく変わっていました。
人生、時には不運で不幸なことが続くこともあり、そうなるといくら根がポジティブな人でも「自分は運がないかも…」と弱気になってしまうこともあるでしょう。
そんな時にこの作品をみると、とても勇気づけられるはず!
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