いよいよ始まりましたゴールデンウィーク!
おうちでまったり連休なんて、めちゃくちゃぜいたく…🧡
映像作品を楽しむことが多いですが、今年のゴールデンウィークは読書からスタート。
手に取ったのは『流浪の月』(凪良ゆう著)。
2020年の本屋大賞を受賞されてテレビでちらほら目にしていましたが、Twitterで流れてくるレビューもポジティブな内容が多く、気になっていました。
内容の面白さと文章の読みやすさから一気に読みきってしまいました。後味も良い(というか読者の立場としてむくわれる)ので、余韻がしばらく胸の中を満たしてくれるような作品です。
『流浪の月』(凪良ゆう)
— Rio (@nami11star1) May 2, 2020
更紗と文が抱える絶望や苦悩と、その中でも感じられる希望とに、心がズキズキして一気に読了。
恋とも友情とも違う絆の描写が繊細でした。
特にネットの匿名化社会で、自分の正義感を振りかざして他人を貶めることの醜さを痛感しました。https://t.co/DjZPKphUXM pic.twitter.com/7HjcDam6E0
・ ・ ・以下ネタバレが含まれます・ ・ ・
あなたと共にいることを、世界中の誰もが反対し、批判するはずだ。
わたしを心配するからこそ、誰もがわたしの話に耳を傾けないだろう。
それでも文、わたしはあなたのそばにいたい――。
再会すべきではなかったかもしれない男女がもう一度出会ったとき、運命は周囲の人間を巻き込みながら疾走を始める。
新しい人間関係への旅立ちを描き、実力派作家が遺憾なく本領を発揮した、息をのむ傑作小説。
ストーリーを読み進めることで更紗と文の人生をなぞり、二人の恋愛でも友情でもない特別な関係性が、とてもかけがえのないもののように感じました。
相手がいることで「自分」が完成するというか。
プラトニックな関係ともまた違うんだろうなぁ。
二人はそれぞれ理不尽なほどの辛い人生を歩いてきて、本書は二人の人生がようやく上向いて希望を感じるところで終わるのですが、どうか二人にとって幸せな人生でありますようにと願ってしまいます。
やっぱりいつも思うけれど、子供の幸せは親に依存する部分がどうしても大きいのかな、と思います。
更紗は幼い頃は幸せな家庭で育つものの、父親が早くに亡くなり、母親は"彼氏"を作って更紗を捨てる。
母親には母親の事情や理由があるのかもしれなけれど…でも、更紗の人生はそのこと一変することになってしまいます。
文も、厳格な母親が描く"理想の息子"がプレッシャーになり、自覚していた自らの身体的な"異変"を相談することが全くできなくなるという悪循環に陥ります。
私も田舎で育ったのでなんとなくわかりますが、田舎は噂が回るのも早く、良い意味でも悪い意味でも、人と違うとご近所さんの話のネタになり、なんとなく監視されているような気になり居心地はあまり良くないです。
「●●さんのお宅のXXちゃんは・・・」と、みんな悪気もなく話すんですよね。
そんな中、文の家族だけでも寄り添ってあげられればこんなに苦しむこともなかったのかも・・・なんて思っちゃいました。
・ ・ ・ ・ ・
連日テレビではCOVID-19のニュース一色。
「外出したいのに出来ない」など、日々の生活に不満を抱えた人が今まで以上に他人を攻撃するような社会になってしまいました。
「家にいても暇なんだもん」と言いながらパチンコ店に行く人。
テイクアウト営業で必死に頑張る飲食店に「潰れろ」と暴言を吐く人。
みんな、周囲の人の立場になった物の考え方が出来ていないように思います。
本書でも、まさにそんな無責任な"世間"が当事者を苦しめる様子を描いていました。
更紗と文は、世間的には「幼女誘拐事件」の加害者・被害者というレッテルを貼られます。
でも、真実は全く異なるんです。
この作品をたくさんの人に読んでもらって、他人への接し方や情報発信を少し変えることで、相手を救うことにも傷つけることにもなるということを知ってもらう良いきっかけになるといいな、と思いました。
まだまだ語りきれないほどたくさんのことを学び、気付きを与えてくれました。
自由な時間が今まで以上に持てる、今年のゴールデンウィークの #おうち時間 にオススメしたい一冊です!
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