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『ウトヤ島、7月22日』と『7月22日』の感想 - ノルウェーのテロ事件

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映画『ウトヤ島、7月22日』『7月22日』を鑑賞しました。

 

Twitterでつぶやいたけれど、これほどの大事件があったことを知りませんでした・・・

無知だなぁ、自分・・・(反省)

 

2011年7月22日といえば、日本では東日本大震災から4ヶ月余りが経った頃。

ニュースも震災関連のものが多く、それであまり記憶になかったのかもしれません。

 

多くの人、そしてその大部分は若者や子供の命が理不尽に奪われてしまったテロ

この2つの映画を見て、その恐怖や理不尽さ、混乱の様子を知ることができました。

 

子供を産んでからは余計に、子供が犠牲になる事件は見ていて辛い・・・

日本でもテロと呼べるような理不尽な事件が増えてきているけれど、絶対に許してはいけないし起こってほしくないと強く感じさせられました。

 

 

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以下ネタバレが含まれますのでご注意ください。

 

 

『ウトヤ島、7月22日』の感想

 

この作品は、事件の臨場感が大きなポイント。

 

最後まで、犯人の正体やテロ事件の全貌などの情報は出てきません。

あくまで、カヤという架空の一人の被害者の目線で進行していきます。

 

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(c) 公式サイトより

 

特に印象的だったのは、事件が起きてしばらくした後、カヤの男友達が「本当に銃乱射事件?訓練じゃない?」と何度も言っていたこと。

 

銃声は聞こえるけれど犯人を目撃したわけではなく、闇雲に逃げ隠れしていた状況の中、「ノルウェーの犯罪史上まれに見るほどの大量殺人が起こっていて、自分がそれに巻き込まれているなんて信じられない、信じたくない」という心理でしょうか。

 

自分が同じ立場になったら、きっと同じ思考回路になるだろうな・・・

 

犯人も状況も分からない、という状況で逃げ惑うカヤに焦点を当てて描いた作品なので、逆にいうと、それ以外の情報は何もなく、カヤとその友人たちとの会話劇に終始しており、事件の全貌を知りたい人にとっては物足りなさを感じる人も少なくないかも。

 

それでもやはり、ワンカットという手法で描いた事件の恐怖感や臨場感はとても印象に残ります。

 

 

基本情報

  • 原題: Utoya 22. juli
  • 上映時間:90分
  • 監督:エリック・ポッペ
  • ジャンル:サスペンス、ドラマ

 


www.youtube.com

 

『7月22日』の感想

 

同じウトヤ島のテロを扱いながらも、全く異なるアプローチを取った作品がこの『7月22日』

 

Netflixオリジナルの映画です。

 

犯人がテロを準備するところから裁判を終えて収監されるまでの一連を描いており、事件の全容をつかみやすい。

 

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(c) 公式サイトより

 

『ウトヤ島、7月22日』は、カヤが逃げまどいながら命を落とすところまでが描かれていたけれど、この『7月22日』の被害者のメインであるビリエルは、脳や手足に重傷を負った生存者。

 

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(c) 公式サイトより

 

一命は取り留めたものの、心身ともに大きなダメージを負い、これまで過ごしてきた日常を奪われます。そんな絶望の淵にいる彼の苦悩と、周りの家族や友人のサポートが描かれていました。

 

事件の生存者たちも、計り知れないダメージを負って人生が狂わされて・・・本当に理不尽な事件。

 

 

基本情報

  • 原題:22 July
  • 上映時間:144分
  • 監督:ポール・グリーングラス
  • ジャンル:スリラー、ドラマ

 


www.youtube.com

 

7月22日のノルウェー連続テロの概要

 

『ウトヤ島、7月22日』ではウトヤ島の銃乱射事件に焦点を当てていますが、実際はこの事件の前に、犯人はオスロ中心街の市庁舎を手作りの爆弾で爆破するという事件も起こしていました。

 

この2つの攻撃によって、計77名もの人が命を奪われ、ノルウェーにおいては第二次世界大戦以降最悪の事件となりました。

 

裁判の結果は「懲役21年」・・・なんだか短い?!

 

仮に日本だったら、結果の重要性を鑑みほぼ100%死刑と考えられますが、ノルウェーでは刑法の最高刑は懲役21年で、死刑どころか終身刑もない国。

 

裁判の結果、犯人は懲役21年、刑期を終える頃にまだ社会の脅威とみなされる限り刑期が更に5年ずつ延長されるという判決だったそうです。


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終身刑という刑罰はないけれど、実質的に生涯刑務所に入れておく手段はあるようですね。犯人は犯行時はまだ若いし、21年の刑期を終えて出所しても、また同じことをしそうで怖いな・・・と思っていたので・・・

 

犯罪と、それに対する刑罰の考え方というのは、その国の歴史や文化に大きく影響を受けるもの。

 

日本では、犠牲者が1人でもその事件の残虐性などによっては死刑判決が出ます。

▶︎参考:命乞いの女性をメッタ刺し 「1人殺害」で死刑、残虐殺人の真相(1/5ページ) - イザ!

 

これだけの凶悪犯罪でも、ノルウェー国内では死刑や終身刑を課すという世論にはならなかったそう。

犯人を罰するのではなく、矯正して社会復帰させるという意識によるものだそうで、この点でも日本と大きな違いを感じます。

▶︎参考:ノルウェーは死刑や終身刑がなく、刑務所も快適 その理由とは? | その他 | ABEMA TIMES

 

人口の多くが死刑を容認している日本*1で生まれて育った私にとっては、ノルウェーの判決はとても驚かされたけれど、ノルウェーの人たちから見たら、日本のように死刑や無期懲役が年間に何件も出されることが信じ難いのかもしれません。

 

最後に・・・ノルウェーってどんな国?

 

今回の映画は、ノルウェーで起きた凄惨なテロ事件を題材としていました。

私自身、ノルウェーには海外出張の乗り継ぎで入国したのみであまり馴染みのない国。

 

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ここまで暗い話題が続いてしまったので、「ノルウェーに行ってみたい!」と感じるように、ノルウェーがどんな国かをざっとご紹介して、この記事を終わりたいと思います!

 

基本情報

 

  • 首都:オスロ
  • 人口:約530万人
  • 公用語:ノルウェー語
  • EUには非加盟。(長年世論も、EU加盟反対派が多数を占めている)
  • EU非加盟のため、通過はEUROではなくクローネ

 

他の北欧諸国同様、国民の幸福度が高く、大学まで学費が無料であるなど、公共のサポートが手厚いことでも知られている。

 

ゆかりのあるモノ

 


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 ~ * ~ *  ~ * ~ *  ~ * ~ *  ~ * ~ * 

 

コロナが終息したら、北欧も旅行に行ってみたいなぁ・・・♪

 

 

 

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史実に基づく映画は、他にもたくさん。

特にオススメはこちら。

 

1. シカゴ7裁判

 

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2. ジュディ 虹の彼方に

 

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3. スキャンダル

 

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*1:世論調査では、約8割が死刑を容認している

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