実際のエリザベス王女のエピソードがベース
ドイツとの長い戦争が終結した夜、国中がお祭り状態で終戦を祝う中、エリザベスがまだプリンセスだったころ、妹のマーガレットとバッキンガム宮殿から外出し、国民と一緒に祝いの夜を過ごしながらちょっとした冒険に遭遇するというストーリー。
実際にエリザベス王女が19歳のときに、非公式に一夜の外出を許可されたという実話をベースに作られたという作品です。
実際の王女2人のことは詳しくないのですが、映画の中では、しっかり者の姉のエリザベスと、自由奔放だけど適応力の高いマーガレットが、まさに対照的でクスっとしてしまいました。
自由奔放ゆえに色々と騒動を巻き起こすマーガレットは、私自身とも正反対の性格で(私も姉弟の姉なので)、自分にないものも多くちょっとうらやましいな、なんて思ったりしました。
華やかな宮殿内部とイギリスの街並みが目を引く
イギリスの王室のストーリーのため、バッキンガム宮殿の中のシーンも多々出てきます。
一つ一つの調度品が豪華で美しくて見入ってしまうし、2人のプリンセスが来ているドレスも、ピンクで年齢や見た目とすごくピッタリで、すごくセンスいいな~と感心してしまいました。
はぐれたマーガレット王女を探しに、エリザベス王女はイギリスの街を歩き回り、庶民の生活の現実を知ったり市民のパーティの楽しさを感じたりします。
その所々で見ることのできる、イギリスの街並みはどれもすてきでした。豪華なお城もそうですし、少し怪しげで暗い通りなども一つ一つ趣があります。
エリザベス女王の妹、マーガレット王女とは・・・
この作品は、エリザベス女王がまだ王女だったころの一夜の騒動に関するストーリーですが、この作品は妹のマーガレット王女の一挙手一投足でストーリーが二転三転していきます。
では、実際のマーガレット王女とはどんな人だったのでしょうか。
エリザベス女王の4歳年下の妹の彼女は、ピーター・タウンゼント大佐に一目ぼれし長く関係を続け、彼女自身は大佐との結婚を望んでいたとされているが、家族をはじめ周囲からは猛反対を受け、最終的に年金受給権の剥奪などを切り出されるなどして二人の関係は終わり、王女は「大佐と結婚しないことを決意した」との声明をBBCに出したというエピソードがあるそうです。
そこまで結婚を反対された理由は、大佐に離婚歴があり16歳も年上だったことが要因だったといわれているそうです。
その後マーガレット王女は別の男性と結婚したものの、浮気疑惑などもあり離婚しています。
晩年、結婚まで考えたタウンゼント大佐が亡くなったのと同じ時期にマーガレット王女も脳卒中で倒れ、車いす生活になったそうです。
なんだか、とてもロマンティックで波乱万丈な人生を過ごされた王女様のようです。
映画を見た感想
イギリスの歴史からすると、あの有名な映画「英国王のスピーチ」で描かれた王室の6年後に当たるそうです。
「英国王のスピーチ」はコリン・ファースが吃音症に悩むジョージ6世を描く作品で、アカデミー賞でも他部門でノミネートされていました。
昨日の「世界の果てまでイッテQ」を見た方は分かると思いますが、出川がカンヌ国際映画祭で、どれほどの大物なのか分からずに横を素通りしてしまった、超大物の俳優さんです(笑)
王女といって何不自由なく暮らしていたとしても、王女は王女なりに不便や不自由を感じているんだなと改めて知りました。
そして、そこから一歩踏み出して外を見たいと思った若い王女たちの気持ちとその行動力に、少し感動しました(笑)
だって、私だったらそのぬるま湯が心地よいってしか思わないかもしれないし・・・。
エリザベス王女は、一夜限りの外出でジャックという若い空軍軍人に出会います。
恋愛映画ではないのですが、そこで描かれる2人の相手への気持ちがすごくピュアでかわいくて、Teen(10代)の設定ならではの甘酸っぱさがありました。
上映時間は1時間37分と比較的短めですし、内容も見やすくて、場面設定は終戦日だけど戦争の重々しい雰囲気はないので、とても見やすい作品だと思います!