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『レディ・マクベス』感想:フローレンス・ピュー、初主演作で見事な怪演でした

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新年早々、なんだか凄まじい映画を見てしまいました。

 

お気に入り女優、フローレンス・ピューの初主演作品という触れ込みだけで見始めましたが、人間の怖さ、理不尽さをひしひしと感じさせるすごい作品でした・・・

 

(それほどに作品がすごいという、褒め言葉です!笑)

 

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©️公式ウェブサイトより 

 

 

あらすじ

 

「ミッドサマー」「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」のフローレンス・ピューが2016年に映画初主演を務めた文芸ドラマ。ロシアの作家ニコライ・レスコフの小説「ムツェンスク郡のマクベス夫人」を映画化した。

 

19世紀後半のイギリス。

17歳のキャサリンは裕福な商家に嫁ぐが、年の離れた夫は彼女に興味を示さず、体の関係を持たない。意地悪な舅からは外出を禁じられ、人里離れた屋敷で退屈な日々を過ごしていた。

 

そんなある日、キャサリンは夫の留守中に若い使用人セバスチャンに誘惑され、不倫関係となる。欲望を抑えきれなくなった彼女は、驚くべき行動に出る。

映画.com作品紹介ページより引用

  

 

 

以下、ネタバレが含まれますのでご注意ください。

 

 

フローレンス・ピュー、迫真の演技でした

 

作品のタイトルは"レディ"・マクベスですが、作中のキャサリンはまだティーンエイジャー。映画冒頭では結婚式のシーンがありますが、その時とラストシーンのキャサリンの表情・雰囲気の違いは、まさに別人。

 

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©️公式ウェブサイトより

 

今の時代のような恋愛からの結婚ではなくお金で買われた若い嫁、という女性にとってはあまり幸せな結婚ではありませんが、それでもどことなくあどけなさやピュアさを感じさせる表情。

 

夫や義父からの抑圧に反発し、豪邸での不倫相手・セバスチャンとの生活を実現するために次々と残酷な行動に手を染めていき、最後には人の心をまったく感じさせないような冷血な表情に。

 

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©️公式ウェブサイトより

 

キャサリンとセバスチャンは、劇中でお互い「愛している」と愛を囁きあいながら恐ろしいことを次々とやってのけますが、本当のところは愛し合っていた訳ではなく、それぞれの自らの欲望を満たす都合の良い相手だったというだけのこと。

 

その表面上だけの2人の愛情は見ていてすごく良く伝わってきたので、演じている俳優さんたちの表現力とスタッフさんの描写力が本当にすごいんだなぁ、と感じます。

 

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©️公式ウェブサイトより

 

月並みの褒め言葉になってしまいますが、数多くいたキャスト陣の中でもフローレンス・ピューの存在感は圧巻でした。

 

 

 

感想

 

夫と義父からの抑圧から逃れるため、使用人・セバスチャンと不倫に走ったキャサリン。

 

だけどラストでセバスチャンは、キャサリンの抑圧が苦しかったと泣きながら告白。

そしてキャサリンの世話係だった使用人・アナもキャサリンの抑圧の被害者。

キャサリンの自由奔放さに振り回され、最後はその罪まで被せられるなんて・・・。

 

すべてはキャサリンの欲望のために、周囲の人が何人も命を奪われ人生を奪われ不幸になっていくストーリーで、陰鬱で不快な気持ちで終わっていく作品でした。

(何度も言いますが、褒めています!笑)

 

たまにはこういう作品も、見応えあっていいですけどね!

 

エンドロール含め劇中にBGMはほとんど流れず、セリフも必要最小限。

その中で登場人物たちの心情や雰囲気の機微な変化を、そうしたBGMやセリフ、ナレーションに頼らず俳優陣の素晴らしい演技で伝えていて、製作者側のチーム全体の作品へのこだわりや情熱を感じました。

 

万人ウケする訳ではなく見る人を選ぶタイプの作品だとは思いますが、

  • 19世紀のイギリスの少し暗くて陰鬱な雰囲気が好き
  • アンハッピーエンドな作品もたまには見たい
  • 重くてシリアスな雰囲気な映画を見たい
  • フローレンス・ピューが好き、気になる!

という人にとっては、一見の価値ありの作品だと思います。

 

 

 

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