2019/2/25(※日本時間)から始まる第91回アカデミー賞授賞式前に、すべり込みで9部門でノミネートされた注目作品「女王陛下のお気に入り/The Favourite」を見てきました。
「女王陛下のお気に入り」見てきた👸✨
— Rio (@nami11star1) February 24, 2019
宮廷の豪華絢爛で美しい建物や衣装と対照的に、三者三様で微妙に思惑の異なる女性たちの駆け引きが泥沼。でも嫉妬心や焦燥感がリアルだし、清々しいほどに自分の欲に正直で、人間臭かった。 pic.twitter.com/T9z8ENwLVI
人間の本質が良く描かれている作品。
現代であっても人は口先で綺麗事を言うけれど、誰もが内心では自分の利益を優先するという、人間の真の姿が描かれていました。そんな点をストレートに描いているところにすごく共感❗️
あらすじ
18世紀初頭、フランスとの戦争状態にあるイングランド。人々は、アヒルレースとパイナップル食に熱中していた。
虚弱な女王、アン(オリヴィア・コールマン)が王位にあり、彼女の幼馴染、レディ・サラ(レイチェル・ワイズ)が病身で気まぐれな女王の世話をし、絶大な権力を振るっていた。
そんな中、新しい召使いアビゲイル(エマ・ストーン)が参内し、その魅力がレディ・サラを引きつける。
レディ・サラはアビゲイルを支配下に置くが、一方でアビゲイルは再び貴族の地位に返り咲く機会を伺っていた。
戦争の継続をめぐる政治的駆け引きが長びく中、アビゲイルは女王の近臣としてサラに救いの手を差し伸べる。
急速に育まれるサラとの友情がアビゲイルにチャンスをもたらすが、その行く手には数々の試練が待ち受けていた。
※Filmarks作品紹介ページより引用
イングランドの女王・アンと、その幼馴染で助言役のサラ、そして新入り女中のアビゲイル。 その三人がそれぞれ少しずつ異なる思惑を胸に秘めながら繰り広げる駆け引きがリアルで見事でした。
アン女王は実在のイングランド女王
フィクションかと思いきや、アン女王をはじめとした主要キャラクターは1700年前後に実在していた人物たちです。
アン女王は17人の子供を授かったものの、死産・流産が重なり、無事産まれた子供も病気などで亡くしています。アン女王が亡き後後継者問題が生じ、アン女王の又従兄弟がジョージ1世として即位しました。
映画に出ていたサラ・アビゲイルとも実在しています。
サラの人生は映画に描かれていた内容とほぼ一緒。戦争への考え方の相違により、1710年に女王から追放され、また夫の資金の私的流用が発覚し夫婦とも失脚。
アンとサラの思惑が少しずつ異なっていく過程で、アンはサラよりアビゲイルを重用します。サラと違い、アン女王が亡くなるまで宮廷で過ごしたそうです。
ただしアン女王の死後、サラ夫婦はイギリスに帰国できたのに対し、アビゲイルはハーリーの失脚により宮廷を去ってしまいます。
アン女王の肥満体型は好物のブランデーが原因とも言われており、映画の中で描かれていた通り、宮廷内の移動は車椅子、外出の際は輿で、自らの足で歩くことはほとんどありませんでした。
賞レース
メインキャラクターを演じた女優3人の演技が印象的だった本作は、アカデミー賞の注目作品でもあり、9部門に10ノミネートされています。
主演女優賞にノミネートされていたオリヴィア・コールマンが、名だたる名女優たちを抑え見事主演女優賞を獲得!
受賞の瞬間、自分のことのように喜んでいたエマ・ストーンの表情が忘れられません。
演じたアン女王と違い、受賞のスピーチではお茶目で飾らないパーソナリティが現れていました。
ノミネートされた衣装デザイン賞は受賞を逃しましたが、当時の華やかなイギリス王宮の衣装は本当に繊細で美しいです。
TOHOシネマズ六本木に、その衣装が展示されていました✨
最後に
「女同士の争い」って聞くと女性向けの映画っていう感じもしますが、その争いの本質は男女共通だし、男性でももちろん楽しむことのできる作品です。
アン・サラ・アビゲイルともこの後も人生が続いていく中で、作品として一つの区切りをつけているラストシーン(作品の終わり方)は人によって全然異なる捉え方のできる、含みのあるラストで私は好きです。
私はラストシーンで、冒頭にも触れた、「三者三様に抱える思惑」というものをそこから感じ取りました。
映画『女王陛下のお気に入り』 (オリジナル・サウンドトラック)
- アーティスト: ヴァリアス・アーティスト
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- 発売日: 2019/01/07
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