1973年に実際にあった、テニスの男女対決を描く作品
「Battle of the Sexes」という映画を見てきました。タイトルの意味は、「男女の戦い」。実際にアメリカで1973年に実施された、有名な男女のテニスプレーヤーによる試合を描いた作品です。
作品の概要
実話をベースに作られた映画。
当時、男女平等を訴えていたプロテニスプレーヤー・ビリージーンキング(キング夫人)に対し、往年の有名男子テニスプレーヤーだったビリーが申し込んだ「テニスの男女対決」。全米で大注目を集めた、まさに世紀の一戦を描く作品。
作品のメインはテニス対決だけど、当時根強く残っていた「男性>女性」という構図の中で奮闘する女性のストーリーでもあり、また同時に当時のLGBTの様子を描いており、社会的な要素も色濃く反映された映画でした。
映画の中でも、男女のテニスの試合で、興業的にはどちらも変わらないのに、賞金額が男女で大きな格差があることに強く抗議するキング夫人の様子が描かれていました。当時は、男女間の賞金額は8倍もの差がついていたそう。
※参照元
「ララランド」でオスカーを手にしたエマストーンの最新作でもあり、監督を務めたJonathan Dayton & Varei Farisは映画「リトル・ミス・サンシャイン」を手がけた映画監督のチームでもあり、ハードル高めで見てきました。
感想
鑑賞前の高いハードルを余裕で超え、今年見た映画の中でも間違いなく上位に入るほど楽しかったし、考えさせられる映画でした。
1970年代当時の「男女不平等」とか、そういう社会的・政治的な問題も取り扱っているので、見る人によってはあまりいい気持ちがしないかも。私は女性側だったので、キング夫人の苦悩やイライラに共感しつつ、活躍する姿に勇気をもらえましたが、男女で受ける印象は違うかもしれません。
一番輝いていたエマ・ストーン
前々からニュースで、「『Battle of the Sexes』でエマがオスカー2年連続受賞か?!」なーんていうニュースを目にしていたのですが、その前評判どおりの素晴らしい演技を見せてくれました。
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プロのテニスプレーヤーという難しい役柄だったと思うけど、身のこなしやテニスのプレーシーンは圧巻。
スポーツの面だけでなく、彼女が苦悩を抱えつつも不屈の精神で立ち向かう強さと、その反面不安で焦る様子が見事に表現されていて、まさに目の前でキング夫人の人生を見ているような感覚に。
対戦相手役・ビリーの存在感
圧倒的な輝きを見せていたキング夫人にひけをとらなかったのが、「Battle of the Sexes」で対戦相手だったビリー。
彼は、当時男女平等を訴えていたキング夫人に自ら「Battle of the Sexes(男女対決)」を申し込む。
派手で目立ちたがりで自信家でギャンブラーなんだけど、テニスが好きで根は悪い人じゃなく、憎めないキャラでした。
そんなビリーを演じていたのはスティーブ・カレル。「怪盗グルー」シリーズでグルーの声優を担当しており、その他にもコメディを中心に多く出演している俳優さん。この作品の監督が手がけた「リトル・ミス・サンシャイン」にも出ていました。
まとめ
映像自体も、時代背景に合わせてレトロな雰囲気で、まるで当時の映像をそのまま見ているような感覚になりました。
Rotten Tomatoesでは、特に批評家からの評判が良く、今年度の賞レースに絡んでくるかもしれないですね。