日本が舞台のストップモーション映画
舞台は近未来の日本。
そう聞くと、ネオンが輝き最新テクノロジーが詰まった最先端の街を想像しませんか?
ゴースト・イン・ザ・シェルやブレードランナーみたいな…
ですが犬ヶ島の日本は、ゴミばかり。
TV放送やラジオ放送の様子も昭和っぽく、和太鼓のビートと重なり不気味で混沌とした雰囲気に満ちていました。
この映画は、ストップモーションの技法を用いたアニメーション映画。
日本を舞台にしたストップモーション映画といえば、「KUBO/クボ二本の弦の秘密」が記憶に新しいです。
KUBOは王道のスタイルで日本を描いていて犬ヶ島とは少し違いますが、どちらも日本の文化や日本人の様子、歴史がよくリサーチされていました。
そんな犬ヶ島(原題:Isle of Dogs)を鑑賞してきました。
「犬ヶ島」見てきた🐶🐾
— Rio (@nami11star1) April 14, 2018
近未来の日本の設定なのに、荒廃して不気味で古めかしい雰囲気で、とてもユニークで面白い舞台設定。
ところどころ日本語のセリフなのに字幕が付いてなくて、余計外国の人には不思議な雰囲気の作品なんだろうなって思った。 pic.twitter.com/5exOpUaIod
あらすじ
近未来の日本。
犬インフルエンザが大流行するメガ崎市では、人間への感染を恐れた小林市長が、すべての犬を“犬ヶ島”に追放する。
ある時、12歳の少年がたった一人で小型飛行機に乗り込み、その島に降り立った。愛犬で親友のスポッツを救うためにやって来た、市長の養子で孤児のアタリだ。
島で出会った勇敢で心優しい5匹の犬たちを新たな相棒とし、スポッツの探索を始めたアタリは、メガ崎の未来を左右する大人たちの陰謀へと近づいていく──。
※Filmarksより引用
感想
豪華なハリウッド俳優たちが声優を務める
大人気海外ドラマ「ブレイキング・バッド」でお馴染みのブライアン・クランストン、「ゴースト・イン・ザ・シェル」のスカーレット・ヨハンソンなど豪華な顔ぶれが声優を務めていました。
もちろん声の演技も完璧!
特にスカヨハはあのハスキーでセクシーな声を活かしてこれまでも「SING/シング」や「ジャングル・ブック」でも声優経験があります。
日本からは、渡辺謙や夏木マリ、オノヨーコ(日本枠かは微妙ですが…)も参加。
オノヨーコが研究者・オノヨーコさんとして出てきたときは、思わず笑ってしまった。笑
日本の描写が興味深い
- 戦前・戦時中のような独裁的な政治家と同調する民衆
- 侍、屏風、下駄、舞子、相撲などの伝統文化
- ラジオやTVなどの古めかしい機械
- 効果音で使われる和太鼓
これらの要素は、古い昔の日本の様子を感じさせていました。
一方で、最新技術を駆使した犬のロボや無人レスキュー機など、現代っぽい要素もあり。今や日本は技術大国とは言えないでしょうが、それでもやはりその印象は強いですからね。
伝統と現在とが絶妙にミックスした日本の描写が、ビジュアル的にも内容的にもとても面白かった。きっと外国人の観客は、私とは全く違う感じ方をしたんだろうな、と思いその点も興味深いです。
Rotten Tomatoesの犬ヶ島のページを見ると、批評家も一般のオーディエンスもかなり高評価(※2018/4/14時点)なので、そんな描写がかなり気に入られているのかもしれません。
まとめ
ヴィジュアルが作り込まれている分、ストーリーはシンプル。
犬と人間の絆は特に面白かったです。
前の飼い犬のスポッツとの強い絆と、出会ったばかりのチーフとの関係性は対照的で、本質は同じなのにいろんな絆の形があるなぁ、と考えさせられました。
「KUBO/クボと日本の弦の秘密」の感想はコチラ★