宣伝に少し惑わされたけど、作品には大満足
ポスターの「容疑者」という言葉から、危険行為として検察から刑事責任を追及される…というような印象を持っていたけど、実際は当局から判断の妥当性を厳しく突っ込まれて公聴会に呼ばれた、という感じだったので、そこは自分が当初想定していたストーリー展開とは違ったかな。
あれって、容疑者だったのかな…私の理解不足…?
そこだけ見終わった後に腑に落ちなかったけど、作品自体はとても満足できる内容でした。
96分と、比較的上映時間は短くて、それゆえに見やすくてうまくまとまっていたと思います。
トム・ハンクスが演じたSully機長の全体的に静かで落ち着いた雰囲気と、その内面で自信が揺らいでいる様子との対比が、機長の人間らしさを表現していたと思います。
そして、エンドロールで流れたSully機長本人の短い映像から察するに、ご本人も寡黙で落ち着いた方なんだろうなぁと感じました。
C・イーストウッド監督×トム・ハンクス主演『ハドソン川の奇跡』予告編
そして、終盤の公聴会の休憩中に機長が言った「We did it together.」の一言に、物語の全てが詰まっていると思います。
イーストウッド監督も、Sully機長自身も、きっとSully機長だけじゃなくて、みんなが助け合った姿勢と155人全員が助かった事実を誇らしく感じているんだと思いました。
それにしても、実際の事故も鳥との衝突だったようですが、鳥とぶつかることなんて全然普通に考えられる事態だと思うけど、それで飛行機が落ちてしまうなんて、ホントに怖い…。
私はよく飛行機乗るから余計リアルに想像してしまいました(笑)
脇役にも見慣れた顔ぶれが多く、ダークナイトのハーヴィやBreaking Badのスカイラーなど、他の作品で見かける人がたくさんでした。
作品の裏話
事実をベースにした作品のリアリティを追求するため、イーストウッド監督は、事件の当事者と出演交渉を行い、レスキュー隊や船舶の乗組員、キャスターなどご本人が多く出演しているそうです。
素人さんでも全然演技に違和感なかったのは、さすがショービズの街ニューヨーカーだからでしょうかね(汗)
他にも、撮影のために本物の航空機を買ったなど様々なエピソードを聞き、作品のリアリティや説得力の高さもうなずけるなぁと思います。
…本物の航空機って、買ったらいくらするんでしょう。。。
アメリカでの評判は
2週連続1位を記録し、イーストウッド監督の前作「アメリカン・スナイパー」には及ばないものの、好成績を残しているようです。
↓イーストウッド監督の前作「アメリカン・スナイパー」は、エンドロールが無音で、まさに余韻を楽しむよう作られていました。
「人を救って疑惑をもたれる者」を取り上げた今作に対し、アメリカン・スナイパーは「戦場で人を撃って賞賛された者」の物語でした。