今月からネットフリックスで配信されたオリジナルドラマ『ハリウッド』。
私の大好きなドラマ、『glee』を手掛けたライアン・マーフィーによる新作ということで、先月から首を長~~くして待っていました!
全7話と手軽なエピソード数。舞台となった1940年代という難しい時代の中で、夢を追い、自分らしさを貫く若き映画人の姿に、一映画ファンとして感動しました♪
『ハリウッド』S1
— Rio (@nami11star1) May 5, 2020
1940年代のハリウッドで夢を目指す俳優、脚本家などの若き映画人を描く作品。辛い時代だけど、「政治は世間を変えられないけど、映画にはその力がある」といった、映画愛溢れるセリフに共感。一本の映画がどれだけ多くの人の想いと努力の結晶なのかを、改めて認識させられました。 pic.twitter.com/0xKEdgFblj
あらすじ&登場人物
あらすじ
夢と希望にあふれる第2次世界大戦後のハリウッドで、成功を追い求める俳優や映画製作者たち。
その胸に抱くのは、何を犠牲にしてでもかなえたい大きな野望。
登場人物
- ジャック:俳優を目指すイケメン退役軍人。アーニーにスカウトされ、生活費のためガソリンスタンドで働く。
- レイモンド:エーススタジオに所属する監督。
- カミール:黒人の女優の卵。レイモンドの彼女。
- アーチー:若い黒人脚本家志望。ジャックに誘われガソリンスタンドで働く。
- アーニー:ガソリンスタンドを装った風俗店の経営者。
- ロック(ロイ):ガソリンスタンドのお客。俳優を目指す。
- クレア:エーススタジオの代表の娘。素性を隠し、女優を目指す。
- ヘンリー:エーススタジオのやり手マネージャー。ロックを見出し、売り出そうとする。
- エイヴィス:エーススタジオの代表の妻。
- ディック(リチャード):エーススタジオの幹部。
- エレン:エーススタジオの幹部、演技指導者。
1940年代、第二次世界大戦後のハリウッドに、成功を夢見て集まった若い映画人が、映画『ペグ』を製作する挑戦の過程、そして苦悩を描く作品です。
黒人女優を主役に抜擢したことで火炎瓶を投げられたり激しい抗議を受けたり・・・授賞式で男性がボーイフレンドを連れて行くだけでブーイングされたり。
そんな嫌がらせに屈することなく、自分らしさを貫く姿に勇気付けられます。
・ ・ ・ 以下ネタバレが含まれます ・ ・ ・
ドラマ『ハリウッド』で描かれた内容と史実の比較
このドラマ作品はフィクションで、登場人物の多くも架空のキャラクターですが、一部実話に基づく部分もあるようです。
そこで、こちらの記事の説明内容を簡単にまとめてみました。
1. アーニーのガソリンスタンドは存在するの?
ドラマの中の店名(Golden Tip Gas)とは異なりますが、実際にはScotty Browersというお店が存在し、同様のビジネスをしていたとのことです。
そのお店の顧客リストには、ドラマにも登場したロック・ハドソンの名前もあったと言われています。
2. 映画『ペグ』のモデルは実在した?
ペグ・エントウィスルは実在した女優さんです。
24歳のとき、ドラマで描かれていた通り、女優の夢に敗れた絶望により、ハリウッドの「H」のサインから投身自殺した言われています。
3. アンナ・メイ・ウォンは不当な待遇を受けていた?
ペグ同様、アンナ・メイ・ウォンも実在の女優さんです。
第2話でレイモンドが仕事を持ちかけ、『ペグ』(後の『メグ』)にも出演を果たし、見事アカデミー賞を受賞しますが、実際のアンナは少し違った人生を歩みます。
彼女は、ハリウッドで有名になった初の中国系アメリカ人としても有名ですが、当時はメイドなどステレオタイプの東洋人の役しか回ってこず、絶望していたそうです。
晩年、ようやく運命の役に出会えましたが、病気のため急死。
夢叶わず生涯を閉じます。
4. ヘンリー・ウィルソンは悪評高いエージェントだった?
ドラマの中では、ヘンリーは目的のためなら手段を問わない、冷血なエージェントとして描かれていました。
ヘンリー・ウィルソンも実在の映画業界人で、現実世界でもロック・ハドソンを売り出したエージェント。
最終話でヘンリーはロックに対し、それまでの仕打ちへの謝罪をしていましたが、実際にも同じようなことを俳優たちにしていたそうです。
5. 女性がスタジオ代表を務めたのは実際にはいつ?
ドラマの中では、エーススタジオの代表者が倒れ、その妻であるエイヴィスが代表を務めます。
ただし、実際には当時このような出来事は起きていません。
それどころか、実際にハリウッドで女性が大手映画スタジオの経営者になるのは、1980年になってから。
映画の舞台から実に40年後、ようやく女性がマネジメントに参画を果たします。
6. ロック・ハドソンは同性愛者を公にしていたのか?
前述のとおり、ロック・ハドソンは実在の俳優です。
ドラマの中では、初出演作品のアカデミー賞授賞式にボーイフレンドと手を繋いで出席し、同性愛者であることをオープンにしていました。
ただし、実際のロック・ハドソンはこの事実をずっと秘密にしていました。
秘密を隠すため、女性とデートしたり結婚したりしていたこともあるそうです。
彼の死の直前にエイズの診断結果が公になったことから、同性愛者であることが世間に知られ渡ったそうです。
7. 『オズの魔法使い』で「虹の彼方に」の曲をカットされそうになった?
第6話の最後に、『メグ』のネガを全て焼かれてしまいます。
視聴者は愕然とし怒りに震えた中、最終話の冒頭、『メグ』の編集者がこっそりネガを複製していたことをレイモンドに告げ、無事『メグ』は公開されるに至ります。
その際編集者は「昔、『オズの魔法使い』を担当していた時に「虹の彼方に」をカットしようとした奴がいて、それからフィルムを複製するようにしている」と話します。
これは事実で、「虹の彼方に」の曲が子供にとって悲しく複雑すぎるという意見が当時ありましたが、別のプロデューサーが「曲をカットするなら降板する」と、半ば強引に主張し、最終的に曲は使われることになりました。
その後、「虹の彼方に」が世代を超えて愛され、アカデミー賞を受賞したことは誰もが知る事実です。
当時のハリウッド(ハリウッドに限らず世界的にそういう風潮だったと思いますが・・・)では、偏見や差別が激しく、自分らしさを貫けないまま苦しむ人が多かったのだと思います。このドラマでは、そんな人物が"違った人生"を歩んでいます。2020年に突入した今でも、人種や性別、性的嗜好などで人を攻撃し人格を否定する動きがあるのは本当に残念。
海外ドラマファンはもちろん、映画を好きな人にも興味深く、楽しめる作品だと思います。この #おうち時間 を機に、ぜひ観賞してみてください(*^^*)
お題「#おうち時間」