人の命の重みを再認識させてくれた作品
この作品は、太平洋戦争中の沖縄が舞台。私がこれまで見てきた戦争映画って、戦争の悲惨さや戦いの激しさ、戦争の英雄たちや歴史などを描くものが多かったけれど、この作品は人の命を救う行為の難しさや尊さを伝えていると私は思いました。
人の命を奪ったり傷つけることって、悲しいことに簡単にできてしまいます。
武器を使って引き金を引くだけだし、先日の小林麻央さんのニュースで再認識したけど、どんなに強い気持ちで周りのサポートがあっても病気に勝てず亡くなっていく人は多いのだと思う。
でもその反面、人の命を救うことってとても大変な行為。どんなに優秀な医者でも全ての病気を治せて人を救えるわけじゃない。でもだからこそ人の命を諦めないで救うことがとても尊く感じるのだと思う。
「ハクソー・リッジ」の主人公、デズモンドは「一人でも多くの敵を倒すため」ではなく「一人でも多くの人を救うため」に軍に加わり、アメリカ軍と日本軍の激戦の中、まさに命がけで瀕死の仲間を救う姿が描かれています。
個人的には反日的な印象は一切持たなかった
色んな感想を見ていると、監督・メル・ギブソンの描写は反日的というコメントを見ました。でも純粋に日本で生まれ育った私から見てもそんな印象は受けなかったので、受け手による部分が大きいんだと思う。
もちろん太平洋戦争が舞台でデズモンドはアメリカ兵なので、日本兵はデズモンドの仲間を殺すけれど、日本がすごく変に描写されているようには思わなかった。もちろん、細かい部分で少し変な箇所はあったのかもしれないけれど、悪意をもって日本を悪く描いているようには見えなかったので、あまりその点は心配しなくてもいいと思う。
それに、タイトルの「ハクソー・リッジ」について、邦題では分かりやすいものに変えるべきという意見もあったけど、私はこのままで配給してくれた配給会社にすごく感謝しています。この映画のタイトルがきっかけで、沖縄の激戦地を当時のアメリカの人は「ハクソー・リッジ」と呼んでいたことを知ることができて、また一つ新しいことを学べたから。
結構外国人と会話する機会が多いのだけど、日本での馴染みの言い方と他の国の単語が全く違ったりして会話に詰まることもあって・・・でもこうやって新しく覚えていくことが楽しい!

【映画パンフレット】 ハクソー・リッジ 監督 メル・ギブソン キャスト アンドリュー・ガーフィールド, サム・ワーシントン, ルーク・ブレイシー,
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戦争の非道さ、残酷さ
この映画の見どころは、後半の日本軍VSアメリカ軍の激しい戦闘シーンだと思います。火薬や銃などのリアルな戦闘シーンもさることながら、武器で傷つく人の様子をかなりリアルに描いています。
グロい、気持ち悪い
という言葉で片付けるのは簡単だけど、70年くらい前の第二次世界大戦では数え切れないほど多くの人が実際にそのように傷つき亡くなって、忘れてはいけない出来事なんだと思います。
太平洋戦争は日本兵がアジアの人を中心にたくさんの人を殺したと教わったけど、今の時代に生まれた私にとっては正直、自分には関係ないものってずっと思っていて。
でも実は、戦争をするということはそうやって何十年後の明るい将来を生きる世代の人たちにも、そういう歴史を背負わせてしまうような、本当にネガティブなものしか生み出さない行為なんだと再認識。
日本が原爆を落とされた国として、今なお多くの人が苦しみ心に刻んでいるように、他の国では旧日本軍に傷つけられた人が同じように過ごしているのかと思うと、やっぱり「関係ない」と簡単に割り切れない気持ちに・・・。
まじで、当時の旧日本軍の人なにしてくれてんだ~って感じ・・・。そして、日本やアジアに限らず、世界中で二度とこんなことを起こしてはいけないんだと思いました。
ハクソー・リッジ(前田高地)の戦闘の様子は、下記のHPで知ることも出来ます。
http://www.okinawa-senshi.com/maeda-new.htm
アンドリュー・ガーフィールドが好演
主人公のデズモンドを、アメイジング・スパイダーマンシリーズで主演を務めたアンドリュー・ガーフィールドが体当たりで演じています。
銃弾や手榴弾が行き交う戦場で、負傷した仲間を背負って救出する姿にはただただ感動。アンドリューって結構アメリカ人の中でも華奢な体型のように見えたけど、成人男性を何回も背負って運ぶなんて結構大変だったんじゃないかなと思う。
彼は今年の初めに公開された「沈黙ーSilence」でも好演。アメスパの影響か、最初はちょっとナヨっとした印象だったけど(超失礼)、今後がかなり楽しみになりました♪
そういえば、アメスパで競演したエマ・ストーンとはかなりお似合いだったけど、破局後2017年のアカデミー賞授賞式で共演していてちょっと嬉しかった(^^*)
まとめ
映画は、100人みたら100とおりの感想があって面白いし、特に今作は余計に人によって受け止め方や感じ方が違うんじゃないかなぁと思うので、Filmarksとかでみんなの感想を見るのが楽しいです☆
アメリカの映画評論サイトRotten Tomatoesでも、評論家からのレビューが87、一般観客からは92といずれも高いスコアを記録しているので、劇場に足を運ぶ価値は十分あると思います!