2018年のアカデミー賞で助演男優償部門にノミネートされた「フロリダ・プロジェクト」。
カラフルでポップな映画のポスターと、真っ青な青空が印象的なフロリダの陽気な雰囲気とはイメージがだいぶ異なる、その日暮らしの母子家庭の貧困の様子を描く作品。
私自身母子家庭で育ったので、思うところが多く考えさせられました。
「フロリダ・プロジェクト」見た🌴
— Rio (@nami11star1) 2018年2月25日
フロリダの街並みや人たちの温かくて陽気な雰囲気と、子供が中心の物語なので全体的に明るく感じるけれど、その日暮らしの母子の経済的な苦しさが影にあって。今の世の中アメリカに限らず日本にも、金/学/職全て無い人はたくさんいるんだろうなぁ… pic.twitter.com/uzzHPeLwD5
あらすじ
6歳のムーニーと母親のヘイリーは定住する家を失い、フロリダ・ディズニー・ワールドのすぐ外側にある安モーテルでその日暮らしの生活を送っている。
周りの大人たちは厳しい現実に苦しむも、ムーニーはモーテルに住む子供たちと冒険に満ちた毎日を過ごし、そんな子供たちをモーテルの管理人ボビーはいつも厳しくも優しく見守っている。
しかし、ある出来事がきっかけとなり、いつまでも続くと思っていたムーニーの夢のような日々に現実が影を落としていく—
※公式HPより引用
子供の幸せに大事なこと
作品を通じて、娘のムーニーはとても幸せそう。
友達がいて、大好きなお母さんと生活して、周りも親切。
当たり前のことだけど、そんな当たり前が続く生活って幸せですよね。
一方、母親に目を向けると、
- 家無し
- 職無し
- 金無し
- 夫無し
- 教養無し
と、無い物ばかり。
ムーニーは大好きなアイスを買うお小遣いも無いから、見知らぬ人に小銭をせびってアイスを買う。
ランチを買えないから、レストランの残り物を分けてもらう。
母親は、モーテルの宿泊費を稼ぐために、お店の敷地内で盗品を売ってお金を集める。
娘に夕飯としてスライスピザを与えて、ベッドの上で食べさせる。
別のホテルの宿泊客を装って朝食バイキングを無銭飲食。
でも、そんな無い物だらけの母親にも唯一あるのは娘への愛。
果たして、母親を大好きな幼い娘が、娘を愛しているだけの母親と生活することは幸せなのか。
とっても考えさせられました。
まともな大人に育てられた方が幸せだ、とも思うけれど、母子家庭で育った娘としては、母親と離れて暮らすなんて想像できない(笑)
私の母は、月に一度夜勤のシフトがあり夜不在になる日がありました。
朝になれば会えるのは分かってるけれど、とにかく寂しくて、出勤前の母親に手紙を書いて、夜は布団の中で寂しくて泣いていたのをよく覚えています。
映画の最後、ムーニーは児童保護職員に保護されそうになるけれど、「母親としばらく会えなくなる」と聞かされ、親友の元に泣きながら逃げていきます。
当時の私には面倒をみてくれる祖父母と仲のいい弟がそばにいたけれど、それでも母親が一晩いなくなるなんて、耐えられない出来事。
ムーニーの場合は母親しかいないから、なおさらでしょう。
想像しただけで、大人の私も不安で寂しくて泣けてきます。
映画の母親は、本当にどうしようもない母親。
仕事を探したり仕事に就くための知識や技術を身につける努力をまったくしない。
どうしようもない母親の元に生まれた子供がその生活から抜け出すためには、知識と教養を身につけ、いい仕事を見つけること。
でも今の母親と生活していても、絶対それは手に入れられない。
結局、何が幸せなのか。
- 母親と一緒に暮らすことなのか。
- たとえ母親と離れたとしても、立派に稼げるよう教養を身につけることなのか。
子供を育てるって、責任重大ですね。
ウィレム・デフォー
この作品で、助演男優賞にノミネートされたのがウィレム・デフォー。
ムーニーたちが生活の拠点にしているモーテルの管理人を演じています。
モーテルの性質上、貧しい人たちが集まってトラブルも耐えないけれど、思いやりや頼もしさに溢れた管理人の様子を演じていました。
彼、実はNetflix版デス・ノートでリュークを演じていました。
最後に
この作品の韓国版のポスターがとっても可愛かったので貼っておきます♪
ちなみに、日本版はコチラ。
日本版は字が目立ちすぎているような・・・。
日本のプロモーションは「アカデミー賞大本命」ってフレーズ好きだなぁ〜…