『インスタント・ファミリー』を鑑賞。
子無し夫婦が、養子を迎えるというストーリー。
コメディを交えてポジティブで明るい雰囲気ですが、実話をベースにしたということもあり、夫婦の愚痴や子供たちとの葛藤がリアルに描かれていて、家族や養子・里親について考えさせられる一作となりました。
『インスタント・ファミリー』
— Rio (@nami11star1) May 18, 2020
養子・里親という少しシリアスなテーマながら、笑える要素を交えて、温かくポジティブな気持ちで観られました。
親側のリアルな本音や気持ちの変化、子供の気持ちがそれぞれ等身大ですごく共感。
リジー役の女の子がめちゃくちゃ可愛かった😍 pic.twitter.com/g0KKxTUrjj
映画の感想
笑って、笑って、泣きました!
主人公のピートとエリ―は、ふとしたことがきっかけで養子・里親制度に興味を持つようになります。
最初から覚悟を決めていたわけではない二人が、三人の子供たちと出会い、子供の扱いに戸惑い、子供たちからは拒絶されて、子供たちを迎えようとしていることを悔やむシーンは、とてもリアルに感じました。
同じく子無し夫婦として、映画を観ながら、ピートとエリ―を自分たちに置き換えて見ていました。
- 同じような経験をすれば、私も「子供たちが施設に戻ってくれたらいいのに」なんてヒドイ考えが浮かぶんじゃないか
- そんな私は、やっぱり親には向いてないな
なんて考えていました。
そんな中、最後には三人の子供たちの親として名実とも認められたピートとエリ―の姿に、とても勇気付けられた気がしています。
ピートとエリーの、反対されればされるほど燃える性格も、少し自分たちに似てるな~…なんて思いました。汗
養子や里親を扱った海外ドラマは、これまでもたくさん見てきました。
『THIS IS US』や『フォスター家の事情』は、いずれも養子と養子を迎えた家族のストーリーですが、血のつながりを超えた家族の絆に心温まる、とても大好きな作品です。
一方で、日本でどのような里親・養子制度があるのか、イマイチ理解していませんでした。大学では法学部に通っていたので、法律上の制度を簡単に知ってはいますが、実態についてこれまで調べてみたことも、テレビで見たこともありません。
ですが、映画を通じて「日本の里親・養子制度を知らず、これまで興味をもって知ろうともしてこなかった」ということに気付けただけでも、大きな一歩だったように思います。
日本の里親・養子制度を調べてみた
- 原則として0歳~18歳まで(進学しなかった場合は中学卒業まで)の要保護児童を一定期間養育するのが里親制度。
- 原則6歳未満の養子となる子供の実親(生みの親)との法的な親子関係を解消し、実の子と同じ親子関係を結ぶ制度が特別養子縁組。
- 年齢制限なく、生みの親との関係を解消しない普通養子縁組という制度もある。
子供の育成には施設よりも家庭の方が望ましい、という考え方のもと、特に欧米では里親制度が積極的に活用されているそうですが、日本ではまだまだ制度が十分に活用されておらず、里親制度の活用率が極端に低いようです。
映画の中では、子供を迎えるにあたり他のカップルと一緒に里親訓練を受けたり、悩みを共有するカウンセリングを行うシーンがありましたが、日本にも似たような研修の仕組みがあるようです。
簡単に調べてみただけでも、里親・養子制度というものが今まで以上に身近に感じられるようになりました。欧米では里親制度が活発に活用されている反面、受け入れ先の過程でさらに虐待を受けるなどあるべき保護を受けられないケースもあるようで、数を増やす=良い、と単純には言えない面もありますが、やはり、「知る」ということは大きいですね。
日本では、まだまだ養子に向けるハードルは諸外国と比べて高いようです。特別養子縁組には年齢制限がありますし、生みの親の同意を要するという条件もあります。 一方、映画の中で描かれていたアメリカの制度では、生みの親と子供たち、里親の意見や環境を総合的に考え、子供の利益を最も重視した判断を柔軟にできるように思いました。
私は、映画を見て初めて日本の里親・養子制度に興味を持ったばかりで、知らないことも多いですが、児童虐待で怪我をしたり命を落とす子供のニュースを見るとやはり心が痛みますし、1人でも多くの子供が、より良い環境で生活できることを願ってやみません。
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