ティーンエージャーの自殺という、難しい題材を扱ったドラマとして注目を集めてきた『13の理由』。
最終シーズンとなるシーズン4が配信され、最後まで見届けました。
完走した私の率直な想いは、Twitterでまとめたとおり。
『13の理由』S4
— Rio (@nami11star1) 2020年6月15日
ついに完結。
個人的にはシーズン3の途中までは好きだったのに、オチで一気に冷めてしまい、でもこの作品のキャラクターは好きなのでラストを見届けました。
シーズン4について思うところは色々あるけど、チャーリー、アレックス、ジャスティン…とBoysにだいぶ癒され救われました☺️ pic.twitter.com/UirCFIucoF
ですが!!シーズン1から見続けてきた私の想いは、140字では語り尽くせません!
作品を見届けた今の思いの丈を、ただひたすら書き連ねてみようと思います。
以下、ネタバレが含まれますのでこれから鑑賞する方はご注意下さい
- 一度奈落の底に落ちた者は、這い上がることは出来ないのか?
- 正義は主観的なもので良いのか?
- 性的指向?BL?
- シーズン1から一貫してクレイが嫌いでした
- 期待外れだったシーズン4、それでもシリーズに対する愛着は変わりませんでした
- 他にもオススメの海外ドラマ作品
一度奈落の底に落ちた者は、這い上がることは出来ないのか?
- 辛い出来事が重なり、耐えきれなくなり自殺したハンナ。
- ハイスクールの王様からレイプ犯に転落。改心し、いじめられっ子を救ったり被害者に謝罪を続けるも、殺されたブライス。
- いじめの代償として逮捕され、獄中で殺されたうえ無実のブライス殺しの罪まで着せられたモンティ。
- 薬物中毒を乗り越え、ジェンセン家との養子縁組も成立し、大学入学が内定していたにもかかわらず、エイズを発症して亡くなったジャスティン。
このドラマでは、多くの尊く若い命が失われました。
共通しているのは、
- どん底に落ち、そこからなんとか這い上がろうとしていた
- だけど、叶わずに命を落とす
という構図。
世の中甘くないのは分かります。
でも、思い入れのあるキャラクターたちが、道を踏み外したり見失ったりする中で、希望を見出しつつも、報われずに命を落とすパターンばかりで悲しかった。
死んでしまったら、何にもなりません。
製作者側がどんなメッセージを込めて、この無情な死の数々を描いたのか、いまだに私は答えが分からずにいます。
正義は主観的なもので良いのか?
「ハンナの死に正義を!」と、声を上げて戦ってきたクレイたち。
クレイは、ブライスを公然と「レイプ犯」と呼び、スポーツ部のメンバー全員をまるで共犯者かのように責め立て、ジェシカもスポーツ部が悪の根源であるかのようなスピーチをしていました。
シーズン1では、シェリが自損事故で交通標識を倒してしまい、それが不運にもジェフの交通事故につながってしまいました。
シェリが事故を隠したことについても、ものすごい剣幕で責め立てていたクレイ。
確かに間接的にジェフの死につながったかもしれないけれど、シェリは決してそれを意図したわけではないのに。
なのに、ブライスの命を奪ったことについて、誰も何の責任も取らず。
さらに、死んで反論のできないモンティに罪を着せる始末。
ハンナやジェフの死については正義を振りかざして散々関係者を罵り責め立てたのに、ブライスの死は隠蔽し責任逃れをするなんて卑怯じゃないでしょうか。ブライスが生前にどんな過ちを犯していたとしても、命を奪うことを正当化することはできません。
性的指向?BL?
シーズン全体をとおして、自分の性的指向に悩み、戸惑い葛藤するシーンが多く描かれていました。
高校生は、まさに子供と大人の"はざま"。
LGBTへの理解が進む現代でも、重大な悩みであることに変わりはありません。
ですが、シーズン4にいきなり増えて、「これはBL作品?」と思うほど。。
イヤとかでは決してないのですが、一般的にこれくらいの割合なんですかね…
- ライアン
- トニー
- モンティ
- アレックス
- ウィンストン
- チャーリー
あまりにも身近な人間関係の中で、男の子同士でくっついたり離れたり…というのが続くので、頭が混乱しました。笑
でも!
チャーリーがアレックスをプロムに誘うシーンは癒されました。
この作品で、唯一の癒しのシーン。
シーズン1から一貫してクレイが嫌いでした
主人公だし、人気があるキャラクターですが。
私は、生理的にクレイがダメでした。
- 相手が一番傷つく言い方をする。
- 相手に少しでも至らないところがあると、全力で責める。
- 自分のことは棚に上げる。
- 自分の物差しでしか物事を判断できない。
- すぐ感情的な話し方になる。
- 他人には意見を押し付けるのに、他人のアドバイスは一切無視。
実生活で一番苦手なタイプの人間。
彼が不安症やうつ病を抱え、難しく繊細な一面を持っていたことを理解はしますが、生理的にどうしても受け付けられませんでした。
性格的な一面もそうですが、過激な行いについても、「正直どうなの…」と思う点ばかり。
- ハンナを傷つけたブライスに銃を向ける。(殺人未遂じゃん!)
- ザックの車を無謀に運転し大破させたのに、弁償しない。
- 校長先生の車に火をつけたのに、罪に問われない(放火は重罪のはず)
クレイのこうした行為を積み重ねたら、かなりの重罪になりそうだけど、それも心神耗弱の一言で許される世の中だとしたら、ちょっと理不尽…
期待外れだったシーズン4、それでもシリーズに対する愛着は変わりませんでした
正直、シーズン4は期待外れでした。
モンティの名誉回復を画策するウィンストンとディエゴ、ブライスの死の真相を隠したいクレイたち。
第9話くらいまで、延々とこの構図の駆け引きが続いていたのに、いきなりジャスティンがエイズを発症し死亡、ウィンストンもディエゴもいきなり手を緩め、モンティとブライスの件はうやむやなまま。
シーズン3までは、自分なりにシーズンごとのテーマやストーリーを思い描けたんです。
- シーズン1:ハンナが自殺したのは、様々な辛い出来事が積み重なり、ブライスが追い打ちをかけた。➡ブライスがすべて悪いのではない。ハンナの13個のテープ、どこかで何かが少しでも変わっていれば、結末は変わったかも。
- シーズン2:ハンナの遺族が、学校環境の改善とハンナの死の真相究明を願い、裁判を起こす。➡遺族の辛い現実や裁判の難しさ、ハンナの遺族も含め、ハンナの死に対する責任は少しずつ誰にでもあって、特定の一人に押し付けることは出来ない。
- シーズン3:ハンナの死と裁判のあと、学校やハンナの関係者がどう変化したのか。➡過ちを認め、償いをすることはとても難しいけれど、人は変わることができる。
でも、シーズン4はそういうテーマやストーリーをつかめずに終わってしまいました。
そして、唐突にジャスティンが死んで終了。。
私の中で、ジャスティンは「セカンド・チャンス」の象徴でした。
家庭環境に恵まれず、薬物中毒・ホームレスというドン底を味わいながら、幸せな家庭に迎えられ、大学合格を果たす。
【恵まれない環境で育つ子供でも、幸せになれる】というメッセージを体現してくれていただけに、シリーズの最後での死は、なかなか受け入れられず。
心の中が大混乱のまま、シーズン4は終わってしまいました。
好き勝手色々なことを言いましたが、記憶に残り愛着を抱くシリーズだったことに変わりはありません!観る人によって全然印象が変わると思うので、たくさんの人に見てもらいたいと思える作品です。
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