ようやくですが、『コーダ あいのうた』という映画を観ました。
(c) 公式サイトより
2022年のアカデミー賞で見事作品賞に輝き、話題になった作品。
Appleが制作した映画で、動画配信会社による作品でアカデミー賞の作品賞を受賞したのは初めてとのこと。
コロナの前から、配信会社による映画や海外ドラマのクオリティがかなり高くなっていたというのは多くの人が実感していたはずですが、ついにアカデミー賞で結果を出すこととなりました!
『コーダ あいのうた』
— Rio (@nami11star1) August 3, 2023
すっごく泣いたしめちゃ笑った…
最近忙しすぎて気持ちの余裕がなくなっていたけれど、心が洗われた…やっぱり私は家族が題材のストーリーに弱い🥲
お兄ちゃんが特に頼もしいしカッコよかった。ルビーの歌声もステキだったし、なにげにV先生の存在も大きかった。 pic.twitter.com/kS4HPoLltw
なお映画のタイトルにもなっている「コーダ(CODA)」とは、Children Of Deaf Adultsの頭文字をとった略語。難聴者である大人に育てられる、聴者である子供のことを意味します。
この映画を見るまで、そのような言葉があることすら知りませんでした・・・
まだまだ自分は狭い世界で生きていて、知るべきことが世の中にはたくさんあるんだなぁと感じます。
ちなみに、主役のルビーを演じていたエミリア・ジョーンズは、Netflixのオリジナルドラマ『ロック&キー』でキンジー役を演じていました。
私もこのドラマシリーズをシーズン3(最終シーズン)まで観たので、エミリアにはすごく親近感があったし、初めて彼女をみた時にはすごく雰囲気があって美人さんで、良い女優さんになりそうだな、と思ったので、こんなにすぐに、良いチャンスに恵まれて嬉しい限り。
以下ネタバレが含まれますのでご注意ください。
自分だけが違う
聴覚障害を持つ父と母、そして兄と4人家族のルビー。
自分だけは聴覚障害がない、"聴者"。
"聴者"という言葉を、知識としては知っていましたが、使ったこともないし使ったのを聞いたこともなく、最初はあまりピンと来ませんでした。
家族の中で自分だけが聴者ということで、ルビーは他の聴者がメインの社会と家族との架け橋という重大な役割をこなします。
(c) 公式サイトより
一方で、聴者のルビーは普通の学校に通いますが、自分以外の家族全員が聴覚障害を持つというのは珍しく、ここでも"自分だけが違う"という状況。
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家族のことが何よりも大事で、家族の役に立ちたいという気持ちと、
他のみんなと違うことが恥ずかしいと思ってしまう気持ち、
そして自分の夢のために外の世界に踏み出したいという気持ち。
そんなルビーの複雑な気持ちにすごく共感して、後半からずっと涙涙涙でした。笑
人に支えながら生きていることを思い出させてくれる
音楽の才能を見出し、大学の受験まで全力でサポートしてくれたV先生や、
ディエットの相手で初恋の相手でもあるマイルズ、
もちろん家族もですが。
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彼らの中の一人でも欠けたら、ルビーの生活や新しい挑戦、成功には至っていないはず。
どんなに才能やお金に恵まれていても、最後は周りの人の支えが自分自身の成長や挑戦を後押ししてくれる、そんな大事なことを思い出させられました。
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人は一人では生きていけない。*1
日本だけでなく、世界中にこの格言・名言があるのは、いつの時代であっても、便利な世の中であったとしても、普遍的な教えだからでしょうか。
子供を手元に置いておきたい気持ち
映画を通じて、時々ルビーのママにイラッとするシーンが多々ありました。
(c) 公式サイトより
- テレビインタビューのために、大事な歌のレッスンではなく通訳をさせたり、
- 「音楽大学に進学しても、歌が下手で失敗したら可哀想」と過保護な発言をしたり、
- 家族の"事業"に欠かせない、家族を見捨てるのか、と足止めするような発言をしたり
あげたらキリがないくらい・・・
可能性と才能を持った娘のサポートをするどころか、足を引っ張るような言動の数々に、「同じ母親としてけしからん!!!」と正直思ったけれど・・・
きっと、お母さんも、娘を大学に出してあげることがベストだって頭では分かっていたんじゃないかな。
それでも、赤ちゃんの頃からずっと育ててきた可愛い娘が、親が想像する以上にしっかり育って、外の世界に飛び立とうとする姿を見るのは、やっぱり寂しいはず。
それでそんな言動になったんじゃないかな、なんて思いました。
私の娘はまだ2歳。
何をするにも「ママ、ママ」と言ってくれて嬉しい反面、疲れることも多い日々だけれど、何年か後になって振り返った時に、今はとても幸せな時期として思い出すんだろうなぁ。
今を1日1日、大切にして過ごそうと改めて決心しました。
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ジュディ 虹の彼方に
ジョジョ・ラビット
*1:瀬戸内寂聴さんや野村監督、アドラーなど、多岐にわたります。