最近、小説などは図書館で借りるようにしています。
さすが本屋大賞受賞作、話題性もあり、半年以上してようやく順番が回ってきました。
普段、本の虫というほど本が好きと言うわけではないけれど、話題になった本は読んでおきたいなと思い、図書館で予約しつつ読んでいます。
最近は西加奈子さんの「サラバ!」とかも読みました。
- 価格: 1760 円
- 楽天で詳細を見る
「羊と鋼の森」 個人的にはちょっぴり薄く感じたかな…
一人の少年がピアノの調律師をめざし、実際に地元の楽器店でピアノの調律師として成長していくストーリー。
実家にピアノがあり、私自身12年間ピアノを習い、毎年調律師さんがピアノの調律にきてくれていたので、題材自体は結構身近に感じられたと思うし、今まで調律師さんを題材にした小説って読んだことなかったから、「あの時の調律師さんはこんなことをやっていたのかー」と結構興味深い点もありました。
けど、うーん。
何にも心に特に残ることなく終わってしまいました・・・。
きっと本が好きな書店の店員さんとかには面白い作品なんだと思うけど、月に数冊しか本を読まない私にはレベルがあってなかったのかな。
特に、人物の描写が少し薄い気がしました。
事前にニュースとかで読んでいたあらすじとか紹介とかで想像していた内容と、実際に読んだ印象とが少し違ったかな。
主人公の男の子がピアノの調理師を目指したいと思った場面が描かれていて、当初からなんかうわっつらな感じがしたけど、その後の専門学校時代や新人時代など、想像の範囲内の心情とか行動しか書かれていなくて、でもその時期って将来とかいろいろ考えるし脱線や葛藤もするだろうし、そのあたりが薄い気がして、「ホント?」って感じがしました。そういうもんなのかな・・・
あと、私自身も学生時代に山奥の田舎に住んでいて、でもそのころからずっと都会でバリバリ活躍したいって強く思っていたし、今も海外で活躍したいっていう信念を持って日々の仕事を頑張っているので、そういう自分の考えと相反しつつ若干非難されていたのも、素直に読めない一因だったのかも。
でも一方で、ピアノの微妙な音の感じとかの表現は、本を読んでいるだけなのに音が聞こえてきそうですごく頭の中でピアノの音がしている感じがしたし、調律の細かい作業や技も、初めて知ったので、10年以上前に家に毎年来てくれていた調律師さんの事を思い出してすごく懐かしい気持ちになりました。
特別ではない日常が、ファンタジーっぽく描かれた作品
日経トレンディの記事では、「本屋大賞らしい大賞作品」と称されていますし、文字から風景や音が心に浮かび上がってくる経験は、とても感動的な読書体験だと思います!
読みやすい要素の、ハラハラドキドキな展開や謎が謎を呼ぶという感じではないですが、文字から視覚や聴覚が刺激されるというのも、ある意味良い刺激だと思います!