世界中が映画「ワンダー・ウーマン」に熱狂した2017年夏から数ヶ月後、ワンダー・ウーマンの原作者のストーリーを描く映画がアメリカで公開されました。
※「ワンダー・ウーマン」の感想はコチラ:
残念ながら日本では劇場公開されませんでしたが、3月にソフトが発売されました。その映画のタイトルは「ワンダー・ウーマンとマーストン教授の秘密」。
今日は、ワンダー・ウーマンのアナザー・ストーリーともいえるこの作品をご紹介します。
あらすじ
1920年代、心理学の教授であるウィリアム・モールトン・マーストンは、授業を受けていた学生のオリーブ・バーンに惹かれ、彼女を助手にする。
彼とともに研究をしていた妻のエリザベスは当初オリーブへの嫌悪感を示すが、彼女もまた徐々にオリーブに惹かれていく。
3人は共同で嘘発見器の発明に向けて研究に没頭するが、あるときその関係が明るみになり大学を追い出されてしまう。
大学を出て3人で共同生活をする中、2人の進歩的な女性に触発され、マーストンは”ワンダー・ウーマン”という新たなヒロインを産み出し…。
※ソニー・ピクチャーのウェブサイトより引用
感想
「実話に基づくストーリー」と聞いていましたが、1920年代にこんな複雑な三角関係が成立していた事実にびっくりしちゃいました。
夫と妻と、その二人の女性の愛人。複雑すぎて・・・汗
図にしたらそこまで複雑じゃないけど、おのおのの感情が複雑そうだな、と。
ただ、マーストン教授夫妻の孫はこの映画で描かれている恋愛関係はフィクションだとして、当事者同士の三角関係は否定しているそう。
実際のところどうだったのかは分からないけれど、オリーブとエリザベスがウィリアムの死後も生涯一緒に暮らしていたことを考えると、それが恋愛関係なのかはさておき、家族と同じような絆で結ばれていたのかな、と思います。
この映画の一番の見せ場は3人の関係性だったのではないでしょうか。3人のそれぞれの関係や感情はもちろん個別に存在するけれど、それらが入り混じったときに新しい一つの形が出来ている気がして、なんとも不思議に思いました。
同じく同性のパートナーを持つ監督が描いたからこそ、きわどいシーンも美しく描かれており、トロント国際映画祭や各レビューサイトでも好評価を得ていたのも納得です。
個人的には、一見大人しそうなオリーブの大胆さにびっくり。
誤解が生じて焦っていたとはいえ、時代的にも女性が女性に恋をするなんて、今ほど一般的ではなかっただろうに、いきなり既婚女性に告白してキスをするなんて!!笑
原題のタイトルは「Professor Marston and the Wonder Women」。つまり、素晴らしい複数の女性が「ワンダー・ウーマン」のインスピレーションになったことを示唆しています。
美しく愛にあふれたオリーブと、強く知的なエリザベス。この作品を見て、あのワンダー・ウーマン像が「狂騒の20年代」とも呼ばれる1920年代のアメリカで誕生したことはやはり必然であったんだなと感じました。
マーストン教授の実績
ワンダー・ウーマンの原作者
もはや世界一有名な女性ヒーローと言っても過言ではないワンダー・ウーマンのマンガを執筆し出版。
DISC理論
ハーバード大学の心理学者としても知られるマーストン教授が唱えた、人の性格を4つに分類する方法。
こちらのウェブサイトに分かりやすい説明が載っていましたので、興味のある方はチェックしてみてください。
たぶん私は「S: Steadiness(安定型)」に一番近いかな。
協調性を一番大事にするっていうところはまさにそのとおり。場を少しでも乱すような言動はなかなか出来ない意気地なしだし、新しい発想というのがなかなかニガテ。
みなさんは何型に該当しましたか(*^^*)?
嘘発見器
脈や体温の微妙な変化を読み取ることで被験者が嘘をついているかどうかを判定する機械。現在でも多くの場面で使われているそう。映画やドラマでは容疑者に対して使うシーンをよく目にしますが、実際にはそれに限らず職場の不正調査やマーケティングなど広く使われているそうです。
一方その信憑性は100%ではなく、いまだに裁判では証拠として採用されるには至っていないそう。
最後に
ワンダー・ウーマンというアメコミの人気キャラクターを産み出すだけでなく、心理学の分野でも大きく貢献したマーストン博士。
ただどれもマーストン博士1人の功績ではなく、オリーブとエリザベスの存在がなければいずれも成し遂げられなかったはず。
映画やコミックのワンダー・ウーマンの裏にある実話に基づくストーリー、ぜひ一度ご覧になってください★