DCコミックのキャラクターたちのタイムトラベルを題材にしたドラマシリーズ、『レジェンド・オブ・トゥモロー』。
(c) 公式ウェブサイトより
アメコミ×タイムトラベルという、私の大好きな要素が2つも楽しめる大好きなシリーズ!!
このシーズン3は、放送年は2017年と少し前ですが、今見てもまったく見劣りしないし古さも感じません。
このシーズンでは、各エピソードで歴史の歪み(=アナクロニズム)を正す、というのがテーマ。
そこでこの記事では、各エピソードの時代背景・歴史・史実をまとめたいと思います。
ただシーズン3は全18話とエピソード数も多いので、まずは前編として第7話までをご紹介します*1
- 第1話:シーザー
- 第2話:P.T.バーナム
- 第3話:ザリ
- 第4話:E.T.
- 第5話:ヴァンパイア
- 第6話:トロイのヘレン
- 第7話:ベトナム戦争
- 第8話:クロスオーバーエピソード
- 第9話:ヴァイキングとビーボ
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以下ネタバレが含まれますのでご注意ください。
第1話:シーザー
「ブルータス、お前もか」「賽は投げられた」のセリフで有名なシーザーが、現代に迷い込んでびっくり!という回。
(c) 公式ウェブサイトより
- 紀元前1世紀ごろの人物
- 大混乱に陥っていた当時のローマをおさめ、ポンペイウス・クラッススと共に第一回三頭政治(紀元前60年)を成立させ、政権を握った
- ガリア遠征*2を成功させ、独裁官に就任
- 周囲を無視して権力を伸ばそうとしたことから、シーザーの独裁に反対する勢力の一員であったブルートゥスらに暗殺される
- クレオパトラと恋仲となり、子供も授かった
第2話:P.T.バーナム
『グレイテスト・ショーマン』という映画、私も劇場で見ました。
力強い劇中歌「This Is Me」がとても印象的だったし、ストーリーも夢と愛に溢れ、素晴らしいエンタメ映画。
この映画の主人公こそこのエピソードのメインキャラクターのバーナム。
▼参考▼
このエピソードでは、バーナムは映画とはかなり違った描かれ方をしていました。汗
バーナムは、1800年代を生きた人。
事業の失敗などもありニューヨークに移り住み、その後、見世物・サーカスを創設。
見事にビジネスを成功させ、世界中を巡業して生計を立てていました。
映画では人と違うことをコンプレックスに感じているメンバーに活躍する機会を作ってあげたという前向きな描かれ方でしたが、このエピソードではお金儲けのために見世物にした悪役のような設定でした。
第3話:ザリ
このエピソードは、史実との関連はありませんでした。
しかしこのシーズンでの大事なキャラクターであるザリが仲間に加わります!
(c) 公式ウェブサイトより
そしてレジェンドの宿敵のクアサも出てきます。
水を操るメタヒューマン・・・なかなか手強い(そしてクールビューティ)。
第4話:E.T.
1982年の映画。
あまりに有名ですし、スティーブン・スピルバーグが監督したこの映画のことは知っているのではないでしょうか。
ドミネーターと呼ばれる生物の赤ちゃんと、レジェンドの一員であるレイ・パーマーの、微笑ましい絆を描くエピソード。
至る所に、映画『E.T.』を再現したシーンが見られました。
第5話:ヴァンパイア
1800年代のロンドンが舞台。
史実に重なる内容はほとんどなかったですが、この回で宿敵のダミアン・ダークが復活します。
そして単独で行動していたリップ・ハンターは、仲間を危険にさらしてしまい、タイム・ビューローに身柄を拘束されてしまいます。
第6話:トロイのヘレン
ギリシャ神話で描かれるトロイヤ戦争。
絶世の美女のヘレンをめぐり、紀元前1200年ごろに起こった戦争とされます。
今から3000年以上も昔・・・気が遠くなるようですが、今なお戦争で人が命を落としたり傷ついたりしているニュースを見ると、人間って何も進化してないんだなと悲しくなります・・・
言い伝えでは神話の中の神様たちの名前も出てきますが、実際にこのトロイア戦争が史実として起きていたと考えられています。
そしてその神話をもとに、1950年代にハリウッドで『トロイのヘレン』という映画が制作されました。
ヘレンは、レジェンドたちと一緒に過ごす中で、男たちに運命を握られるのではなく自分自身が強くなって自らの道を切り開くことに目覚めます。
そんな中、元の時代に戻りたくないと懇願してレジェンドが代わりに彼女を連れて行ったのがセミッシラ島。
ワンダーウーマンの故郷とされる、架空の場所です。
他の強い女性たちに囲まれながら、ヘレンがどのように成長し、どんな人生を歩むのか。
その先がとても知りたい!
第7話:ベトナム戦争
1960年代に起こった戦争で、あのアメリカが負けた戦争ということで知る人も多いはず。
ベトナム戦争をテーマにした映画や海外ドラマも数多く制作され、アメリカ人にとっていい意味でも悪い意味でも非常にターニングポイントになった出来事と言えるのではないでしょうか。
北ベトナムと南ベトナムの戦いで、アメリカは「アジア地域の共産化防止」を口実に南ベトナムへの軍事支援を本格化させ、泥沼の戦争に突入します。
なんと、ミックの父親がベトナム戦争に従軍していた設定で、まさかの戦地で親子が再会することに。ミックは父親との折り合いが悪く、最終的に自らの手で父親を葬ったとされていますが、ミックのお父さんが酒浸りで家族に当たり散らしみんなに辛い思いをさせてしまった元凶も全てこのベトナム戦争だったそうです。
ミックのお父さんに限らず、ベトナム戦争、そしてその後の湾岸戦争やイラク戦争で身体的にも精神的にも大きな傷を負った人は多く、戦争の経験から発症するPTSDは大きな社会問題として、昔から今に至るまでアメリカ社会に大きく根付いてしまっています。
このエピソードには、ベトナム戦争をスタートさせる判断をした、ジョンソン元大統領も登場します。
ジョンソン大統領については、『LBJ ケネディの意志を継いだ男』という映画でかなり詳しく描かれていたのでそちらもおすすめ。
第8話:クロスオーバーエピソード
全4話のクロスオーバーエピソードの最終話。
マルチユニバースがテーマなので、史実との関連はなかったけれど、ついにマーティンが命を落としてしまった・・・
家族のもとに帰ることをあれほど待ち焦がれていたのに、こんなことって・・・涙
このエピソードを見た後は、しばらくメンタル的に尾を引きました(;_;)
第9話:ヴァイキングとビーボ
ヴァイキングとは、800年頃からの250年間くらいに活躍したスカンジナビア半島・バルト半島を拠点とした武装集団のこと。
時は飛んで1990年代。
若かりし頃のマーティンが娘のプレゼントのためにビーボ人形を手に入れます。
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大人気商品のため、周りの客から追いかけられるうちに、時空を超えてヴァイキングの時代にタイムスリップ。マーティンが持っていたビーボ人形が神として崇められることになりました。
ヴァイキングのストーリーの背景には、宗教があります。
ヴァイキングによる略奪行為などに頭を悩ませていたイングランドなどの周辺地域は、スカンジナビア周辺をキリスト教に改宗させます。
このエピソードはそんな改宗が起こる前に、ビーボというしゃべるぬいぐるみを神として崇め、ついにはクリスマス・デイならぬビーボ・デイが出来る、というちょっぴり笑ってしまうような内容。
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史実の勉強になることはもちろん、DCの世界観が随所に織り交ぜられていて、毎回新鮮な気持ちで見ています。
続きを見るのが待ちきれない!!
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