Apple TV+のオリジナルドラマ『ディキンスン〜若き女性詩人の憂鬱〜』シーズン1を鑑賞。
(c) 公式サイトより
『バンブルビー』など多くの映画作品で主演を務めてきたヘイリー・スタインフェルドのドラマシリーズ!
ヘイリーちゃんの存在感や演技はもちろん、実在したエミリー・ディキンスン*1が生きた1800年代の世界観や脇を固める登場人物たちの個性も大きな見所。
(c) 公式サイトより
特に、ちょっと抜けてるけど素直で良い子のオースティンがお気に入り…♪
歴史ものと聞くと、少し堅苦しいイメージを持つかもしれませんが、本作は1800年代の描写と対照的に今っぽいイケイケBGMで、出演者も若者が多く、幅広い人が楽しめる工夫がされているように思いました。
『ディキンスン』シーズン1
— Rio (@nami11star1) 2021年6月2日
1800年代を生きた実在の女性詩人のストーリー。当時のファッションやデコレーションといった華やかさで見てて楽しかった💫
女性や黒人が当然のように差別されてた当時の社会で、やりたいことや才能を貫くエミリーの強さがカッコ良い。 pic.twitter.com/8B4KU3ED8E
<こんな人に特にオススメ>
- 女性詩人 エミリー・ディキンスンが好き
- 1800年代のアメリカのファッションや日常の風景が好き
- 若い人
- 1話30分ほどで手軽に見られるドラマを探している人
あらすじ、基本情報
ヘイリー・スタインフェルド扮するエミリ・ディキンスンは、詩人、娘、そして完全なる時代の反逆児。
これは、世界一の詩人になると心に誓った彼女の成長物語。
作品のジャンルはコメディ。
明るく軽妙にストーリーは展開していきますが、黒人・女性差別や南北戦争といった当時の社会背景もしっかりと描かれており、見応えがあります。
また各エピソードでエミリーの実際の詩が取り上げられていて、エミリーの独特な詩をストーリーと一緒に堪能できるのも見所のひとつ。
<基本情報>
- シーズン1:全10話
- 各話約30分
- Apple TV+オリジナル
- ジャンル:コメディ、恋愛、史実
登場人物
ドラマはエミリーをはじめとして実在の人物が多く描かれていますが、そのキャタクターはドラマ向けに脚色されていて、実在の人物のもの必ずしも一致するわけではないです。
エミリー・ディキンスン
本作の主人公。
詩を書くのが好き。
「女性詩人などあり得ない、恥だ」とされる時代においても詩を作り続け、自分を貫く強さを持つ一方、少し風変わりな一面も。
(c) 公式サイトより
オースティン・ディキンスン
エミリーの兄。
スーザンに恋をして結婚する。
少し抜けているところもあるけれど、家族思いの頼れる長男。
ラヴィニア・ディキンスン
エミリーの妹。
自由奔放な性格。
史実では、エミリーの死後、彼女が遺した詩を世間に広める一助となった。
エドワード・ディキンスン
エミリーの父。
男尊女卑的な固定観念を持ち、エミリーの型破りな発想や行動に対して厳しいものの、家族全員を愛する優しいお父さん。
由緒ある家系に生まれ、自身も上院議員に立候補し見事当選。
スーザン・ギルバード
エミリーの親友で、オースティンの妻。
病で家族全員を失う。
ドラマではエミリーと恋仲であるような描写がされているものの、歴史上そういう事実があったかどうかは不確定とのこと。
エミリー・ディキンスンとはどんな人?
本作の主人公、エミリー・ディキンスン。
作品のタイトルでもあり、1800年代に実在した女性詩人。
ドラマの中でのエミリー・ディキンスンは、
- 周囲の反対や世間の常識にとらわれず、やりたいことを貫く強さを持ち、
- それゆえに突拍子もない発想をする、少し変わった一面も持ち、
- 素晴らしい詩を書き、
- 家族や友人、周囲の人を大切にする
人物として描かれていました。
エミリーの生きた1800年代は差別が厳しく、女性は選挙権を持たず、男性の意に従い慎ましく生きるべきという時代。
エミリーの母は「お父さんの言う事は絶対に従うべし」、父は「女が詩を書いて世間に公表するなど恥だ」という考えの持ち主。
(c) 公式サイトより
それでもエミリーは、親の言うことや世間の常識にとらわれることなく、詩に情熱を注ぐことを諦めません。
スーと男装して大学の講義に侵入するシーンも印象的だったね。コミカルに描かれたシーンだけど、当時の女性差別の厳しさがひしひしと伝わってきたなぁ。
歴史によると、エミリーの死後、ラヴィニアをはじめとする家族がエミリーの詩をつづったノートを発見し出版することで、世間にその名と作品が知られるように。
現代では、"19世紀世界文学史上の天才詩人"*2と評されています。
ちなみに、エミリーの生きていた1800年代中頃、日本はちょうど江戸幕府末期。
日本もアメリカも、激動の時代の真っ只中でした。
エミリーが生み出したその素晴らしい作品は、彼女の才能はもちろんのこと、抑圧的・差別的な時代背景も少なからず影響したのかもしれません。
また、エミリーは空想しがちな女の子だったようで。
『逃げ恥』のみくりも妄想女子だったけど(最近ようやく逃げ恥を見たんです♪)、エミリーの場合は死を擬人化して友達になるような、ちょっとこじらせ度が高いタイプ。
(c) 公式サイトより
スーの家族も全員が病で亡くなってしまったりと、当時は医療技術や衛生状態もまだまだ未熟。
そんな状況に加えて南北戦争もあり、現代の私たちよりもずっと「死」が身近な存在だったのでしょう。
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