『まんがでわかる「学力」の経済学』をアマゾンのPrime Readingで発見!
まんが版ではない方(原作)を良く本屋で見かけて、ちょっと気になっていたんです。
読む前は、子供の学力と親の経済力の因果関係の話なのかな??なんて思っていましたが、実際は科学的に子供の学力を伸ばす方法を分析した本でした。
「データ」に基づき教育を経済学的な手法で分析する教育経済学は、「成功する教育・子育て」についてさまざまな貴重な知見を積み上げてきた。そしてその知見は、「教育評論家」や「子育てに成功した親」が個人の経験から述べる主観的な意見よりも、よっぽど価値がある―むしろ、「知っておかないともったいないこと」ですらあるだろう。
本書は、「ゲームが子どもに与える影響」から「少人数学級の効果」まで、今まで「思い込み」で語られてきた教育の効果を、科学的根拠から解き明かした画期的な一冊である。
アマゾン『学力の経済学』紹介より引用
原作は未読なので比較はできないですが、まんがだとストーリーに沿ってポイントを抑えられるので、「難しい本は苦手だけど、子供の学力を伸ばすために親ができることを知りたい」という人にピッタリの一冊ではないかな、と思います。
中でも特に印象に残ったポイントについて、備忘録のためにもメモにまとめました。
共学vs男子校・女子校、ゲームは一日何時間までならOK?など、ここに記した以外にも興味深い内容が多く書かれていましたので、アマゾンプライム会員ならPrime Readingで無料で読めますし、気になった方はぜひチェックしてみてください!
"馬の鼻先にニンジンをぶら下げる"作戦
親は「良い将来のために勉強しなさい!」と子供に口すっぱく言いますが、子供の心には響かないもの。
これは、子供にとって、ぼんやりして良く分からない将来のために頑張るモチベーションがわかないから。
そこでご褒美の中身を
- 良い将来 ではなく 好きなお菓子
といった感じで、具体的なものを提示すると子供のやる気が起こる、とのこと。
子供をご褒美で釣ると聞くと、少し悪いことをしているみたい・・・
でも動機がなんであれ、子供が目標のために頑張って前向きに勉強するようになるから、良いことなんじゃないかな。
「馬の鼻先に人参をぶら下げる」という昔のことわざは、人間の場合も科学的に正しい動機付けの方法のようですね。
では、何に対するご褒美をあげればより効果的なのでしょう。
- テストで90点以上だったら、ご褒美をあげるね。(=アウトプットに対するご褒美)
- 今日、参考書の45ページ目まで進めたら、ご褒美をあげるね。(=インプットに対するご褒美)
ご褒美のあげ方として、上の2つが考えられるでしょう。
海外で実際に多くの学生を対象に実験した結果、インプットに対してご褒美をあげる方が、良い結果に結びついたとのことです。
本書では、その要因を以下のように分析しています。
- インプットに対するご褒美を提示された子供は、学力を上げるために必要な具体的な行動(問題集をこなしたり教科書を読んだり・・・)に一生懸命取り組むため、結果に結びつきやすい。一方、アウトプットに対するご褒美を提示された子供は、その達成のために何が必要なのか分からず準備が不十分だから。
- アウトプットへのご褒美をもらえる時期の方が、インプットへのご褒美をもらえる時期より時間的にあとなので、比較的モチベーションを持ちづらい。
正しい褒め方とは
本書でも、昨今良く言われている「褒めて育てる」ということに対して肯定的です。
ただし、何を褒めるのかを間違えると効果がなくなるので要注意としています。
具体的には、以下のどちらが良いのでしょうか。
- 能力を褒める(例:こんなに良い点数を取れるなんて、頭がいいね!)
- 努力を褒める(例:テスト前に毎日勉強できたね、偉いね!)
本書では、子供の努力を褒めた方が子供の学力が伸びるとしています。
能力を褒められる子供は、壁にぶつかった時に、逆説的に「自分には思っていたほどの能力がなかったんだ」と感じてしまい、それにより意欲を失い、学力が低下していくそうです。
一方で、努力を褒められる子供は粘り強く物事に取り組み、例え結果が悪かったとしても自己否定するのではなく、「次はもっと頑張ろう」と前向きに挑戦する傾向が見られたとのことです。
一言に「褒めて育てる」といっても、褒め方を間違えると逆効果なのか・・・気をつけないと。
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