Apple TV+のオリジナルドラマシリーズ、『アフターパーティ』。
(c) 公式ウェブサイトから引用
"アフターパーティー"とは、日本語で二次会を意味します。
同窓会の二次会で起きた殺人事件について、刑事が各容疑者への事情聴取を視聴者もエピソードとして見て一緒に推理する形式になっています。
作品紹介だけ見るとミステリーっぽいですが、
- 1話が約30分
- コミカルな雰囲気
- 各話、構成や雰囲気が別の作品のように全く違う
という仕掛けになっていて、サクッと見れてしまいます。
かなり面白くて、一気見してしまいました。
作品自体、エピソードごとに雰囲気がガラリと変わって引き込まれるし、謎解きとしても犯人の予想がなかなかつかずに、最後は意外でびっくり!!
なお、被害者でちょっと嫌な奴のエグゼビアを演じたのはデイヴ・フランコ。
お兄ちゃんのジェームズ・フランコと一緒に、結構有名な俳優さんですね。
(c) 公式ウェブサイトから引用
登場人物の説明
- アニク 容疑者。
- ブレッド 容疑者。ゾーイの夫。
- ゾーイ 容疑者。ブレッドの妻でアニクの高校時代の片思いの相手。
- チェルシー 容疑者。ゾーイの友人。
- ヤスパー 容疑者。アニクの友人。
- エグゼビア 被害者。俳優や歌手として活躍するセレブ。
- ダナー 担当刑事。
- ウォルト 容疑者。アニクたちの同級生で、かなり存在感が薄い。
- ジェニファー #1 容疑者。いずれも妊婦。同じ名前で仲良し。
- マギー ゾーイとブレッドの娘。
ちなみに、製作総指揮/監督を務めたクリストファー・ミラーは、スパイダーバースシリーズの脚本を務めた人だそう。
一つのストーリーを色んな魅せ方で表現するところとか、軸や定番にとらわれない新鮮な表現方法、緻密なストーリー設定は流石だなぁと感じました。
各エピソードの詳細
以下ネタバレが含まれますのでお気をつけください。
第1話 アニク
歌手や俳優と、マルチに活躍していたセレブのエグゼビアが、窓から転落して亡くなった!
舞台はエグゼビアの自宅。
この日行われていた同窓会の二次会が開かれてました。
メインの刑事であるダナーが到着し、最初に事情聴取を受けたのがアニク。
黒人の陽気なキャラクターで、学生時代から恋心を寄せるゾーイへの反応が可愛い。笑
アニクの人柄のおかげか、人が亡くなったという事件の凄惨さを忘れるほど、明るくコミカルなエピソードになっていました。
(c) 公式ウェブサイトから引用
なんとかゾーイと話をしたいアニクだけど、肝心のゾーイはエグゼビアに連れ回されてなかなかチャンスがなく、そうこうしている間に酔い潰れてしまいます。
目を覚ますと、顔中にイタズラ書きされ、ズボンを脱がされ、水浸しに・・・。
「エグゼビアの仕業に違いない!!!」
と、エグゼビアの寝室に向かい、そこで崖下に転落しているエグゼビアを発見します。
エグゼビアが窓から落ちた直後に自分が部屋を訪れたことから、ダナー刑事に怪しまれていることに気づきます。そんな中、エグゼビアの部屋の中で脅し文句とも受け取れるメッセージが書かれた怪しげな紙切れを見つけ、謎解きが得意なアニクは自ら事件を解決しようと決意します。
第2話 ブレッド
事件の夜をブレッドの目線で描く第2話は、まるでアクション作品。
ブレッドのケンカのシーン、カーチェイスのシーン。
意外なほどに本格的で、びっくりしちゃいました。
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ブレッドは、離婚に向けて話し合っている妻のゾーイとの関係を諦めきれず、なんとかヨリを取り戻そうとあがいています。一方で、高校時代にブレッドから良い扱いをされていなかったエグゼビアは、その時の仕返しとばかりにゾーイに近づこうとします。
本来であれば、ブレッドが家で娘のマギーの面倒を見ているはずが、ゾーイと話したしたいブレッドは、ベビーシッターにマギーを預けて参加します。ところがマギーが会場に現れてしまいます。
ゾーイとの約束を反故にしたことで、余計にゾーイを怒らせてしまったブレッド。ゾーイの言いつけ通り娘と帰宅しようとしたところ、マギーのねんねのお供のコアラのぬいぐるみを、ひょんなことがきっかけでアニクが持っていってしまいます。
「あれがないと眠れない!」
という娘のために、アニクの乗る車を大追跡。
街中で本格的なカーチェイスを繰り広げます。
そして会場に到着。
招待されていない二次会に、警備員と大格闘の上潜入。
エグゼビアと一悶着しつつも、これまでの自分の振る舞いを反省したブレッドは、ゾーイに心から謝り、復縁を無理強いしないことを伝えます。良い話の途中だったものの、車から抜け出したマギーを見つけ、これ以上ゾーイを失望させないようにと、ゾーイにマギーが見つかる前になんとかしようと、話を強引に終えて追いかける羽目に。
そして、事件が起きます。
第3話 ヤスパー
このエピソードは、明るいヤスパーのキャラクターがそのまま活かされたミュージカル形式!
そしてメッセージも明るくポジティブ。
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チャンスは1つだけじゃない。
一世一代のチャンスを逃したとしても、必ず挽回するチャンスがまた巡ってくる。
エグゼビアと高校時代にバンドを組んでいたヤスパー。今は音楽機器の取り付けを仕事にしているものの、ミュージシャンとして成功する夢を諦めていません。
成功のきっかけをつかみたいヤスパーは、エグゼビアに自分とコラボしてほしいと強烈にアピールします。エグゼビアの反応はイマイチだけど、ヤスパーはそんなことお構いなしに熱烈アピール。ついにエグゼビアから「製作中のアルバムの一曲を一緒にコラボしよう」とテキストメッセージが。
ついに自分にもチャンスがやってきた!
舞い上がるヤスパーですが、いくら待ってもエグゼビアから連絡がなく。
首を長くして待っている間に、エグゼビアが転落してしまいました。
そこで時間は現在に戻り、エグゼビアの転落現場からXマークのついたお酒のボトルが発見されます。チェルシーの持ち物だと判明したことから、次の事情聴取はチェルシーになります。
第4話 チェルシー
ブレッドの浮気相手は・・・なんとチェルシー。
これまでのエピソードと違い、サイコスリラーな雰囲気でした。
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チェルシーは、正体不明の相手から脅迫めいたテキストメッセージを受け取り、精神的に追い込まれます。送り主は不倫相手の妻のゾーイなのか別人なのか、そしてなにが目的なのか・・・
これまでのエピソードでも触れられていましたが、チェルシーはエグゼビアに仕返しするために同窓会に参加したのです。高三の時の聖パトリックデーのパーティーでの出来事がきっかけだったそう。そのパーティで何があったのかは、次の回で詳しく描かれます。
チェルシーが企てていた仕返しは、猫用鎮痛剤をお酒に混ぜてエグゼビアに飲ませ、裸の写真を盗撮してばら撒こうとすること。
いざエグゼビアのもとに復讐に行こうとすると、二次会でたまたま顔を合わせたヤスパーに、「主導権は君にある」と励まされます。
エグゼビアと2人きりになり、鎮痛剤入りのドリンクを渡し、エグゼビアが飲もうとした瞬間にチェルシーは心変わりし、自分の企みを全て白状します。エグゼビアに復讐する生き方よりも、もっと自分らしく生きようと決意したのでしょうか。
そしてダナー刑事の関心は、チェルシーがエグゼビアに恨みを抱くきっかけになった15年前の聖パトリックデーのパーティに。
これまでの事情聴取で、アニクも15年前のパーティでエグゼビアに嫌がらせをされていたことを確認していたダナー刑事は、次はその出来事を詳しく調べようとします。
第5話 15年前のパーティ
今やセレブで芸能界で大活躍するエグゼビアも、15年前は裕福な家だけども少しダサい単なる高校生。ヤスパーと音楽ユニットを組んでいたものの、スタイルの違いからヤスパーに解散を言い渡されてしまいます。
(c) 公式ウェブサイトから引用
ヤスパーの決断の裏にアニクの助言があったことを知り、エグゼビアはアニクに怒りの矛先を向けます。同級生宅で開かれたパーティに遅れて来たアニクを見つけるや否や、ズボンをおろしてプールに突き落としてしまうのです。その結果アニクは笑い者になってしまい、ゾーイのために真剣に準備したミックスCDもダメになってしまいました。
エグゼビアは、酔いが回ってフラフラのチェルシーを介助するよう装い、静かな部屋に連れて行きます。チェルシーが自分の服や髪型を褒めてくれたのを、自分への好意だと勘違いしてしまい関係を迫ったが、あっけなく拒否されてしまいます。それなのにエグゼビアは、部屋を出たところで同級生に問いただされ、「チェルシーと寝た」と嘘をつき、同級生はみんなその話を信じてしまいます。
アニクが出遅れた隙に、ゾーイはブレッドといい感じになり、恋仲に。
「エグゼビアにプールに突き落とされなければ、自分がゾーイと付き合えたはずなのに・・・」
すっかり切れたアニクは、エグゼビアが親から買ってもらったばかりの新車の高級車を、野球バッドでボコボコにします。騒ぎを聞きつけた警察官が駆けつけますが、親が裕福なエグゼビアは見逃してもらいます。アニクは、奨学金が取り消されてしまうから告訴だけは勘弁してほしいと懇願するも、エグゼビアは拒否し、アニクは逮捕されてしまったのです。
これが、15年前の因縁のパーティの一連の出来事でした。
「エグゼビアに恨みを持っていたアニクが一番怪しい!」
アニクは自らの疑いを晴らすため、第1話でゴミ箱で見つけた脅迫めいたメモ書きをみんなに打ち明けますが、実はエグゼビア本人が書いたことが判明し、アニクの「メモを書いた人=犯人」という説が間違っていたことが明らかになります。
その場にいた全員がアニクが犯人と確信しかけたその時、「私の話をまだ聞いてないのに、結論出せないでしょ」と、ゾーイが口を開いきます。
第6話 ゾーイ
第4話、第5話とシリアスな雰囲気で進んできましたが、一転して今回のエピソードはアニメーションを多用してガラリと雰囲気が変わりました。美術教師(芸術家)のゾーイらしい演出ですね。
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このエピソードの主人公はゾーイですが、心の中にいる
- 大人のゾーイ(今のゾーイ)
- 高校生のゾーイ
- 時折出現する怒りに溢れたゾーイ
が、それぞれの場面で何を思っていたのかを代弁してくれていました。
一通り事情聴取で刑事に話をしたゾーイ。
特に目新しい情報はなく、アニクに代わる容疑者も明確に出てきません。
それでもここまで事情聴取を進めてきたダナー刑事も、視聴者も、薄々感じていること。
「これが殺人事件であることは確かだろう。でも、犯人はアニクではないのではないか」
そんなメッセージと共に、エピソードは終わります。
ちなみにさらりとこのエピソードの中で新たな事実が判明します。
- チェルシーに匿名の脅しメールを送っていたのはジェニファー#2
- チェルシーをボーガンで殺しかけたのは、はっちゃけていたゾーイ
第7話 ダナー
この事件はダナー刑事ではなく、ジャーメイン警部という別の人が本来担当するはずだったことが他の刑事にもわかってしまいます。難事件を解決し、有名な刑事です。
(c) 公式ウェブサイトから引用
ここで、まだダナーが警察官だった頃の回顧録が始まります。
ダナーとジャーメインは、警察官養成学校の同期でした。
ここで紹介される過去の出来事はいずれも特に今回の事件とは関係がないですが、一つ重要なメッセージを投げかけます。
ジャーメインが事件を担当したら、一番怪しいアニクが、ろくに操作もされず殺人犯として逮捕されてしまう。つまり、ジャーメインが現場に到着する前に事件を解決して真犯人を見つけなければいけない!
第8話 マギー
事情聴取の最後は、一番小さな目撃者、マギー。
6歳の女の子は、パパとママに付き合って同窓会から二次会まで一緒に過ごし、事件解決の糸口となる証言をします。
(c) 公式ウェブサイトから引用
全て謎が解けたと全員を集めるダナー刑事。
そこで、「エグゼビアを殺せたのは、アニクかブレッドだ」とみんなに告げます。
ゾーイとのことでエグゼビアに強い恨みを持っていて、エグゼビアが転落する前に激怒していたブレッドに疑いの目が向けられますが、アニクはブレッドがマギーを探しにエグゼビアの寝室とは別のところに向かう姿を目撃していたことを思い出します。
これを言うと、ブレッドの無実が証明され、消去法で自分が犯人とされてしまう。
分かっていても、事実を黙っていることができないアニクは、ブレッドの無罪を証明する証言をします。
そこで「やっぱり犯人はアニクだったか・・・」とみんなが思いかけていた時、ついにダナー刑事が真犯人を名指しします。
それは・・・まさかのヤスパー!!!!
エグゼビアの寝室のクローゼットの扉についての証言が、ヤスパーだけ違っていたことに気づき、そこから事件が解決していったのです。
高校時代、一緒に組んでいたエグゼビアだけが成功をつかみ、自分にはなんのおこぼれもない。コラボして欲しいとお願いしても、冷たくあしらわれる。それでエグゼビアに強い恨みを抱くようになっていったことが動機でした。
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