女子刑務所の、雑多で混乱していて、でも同時にまるで家族のような絆も感じるこのシリーズ。
年明けから一気に見続け、ついにシーズン4まで見終わりました。
(c) 公式ウェブサイトより
今までで一番夢中になったシーズンでした!新キャラクターが多いから序盤はキャッチアップするのに手こずったけど、それぞれストーリーを面白くしてくれて、目が離せません。
このドラマ見るまでは、単純に【刑務所にいる人=悪人】というイメージかなかったけれど、少なくともこのドラマの人たちは、色々な人生を歩んできて、足を踏み外してしまったものの、根は良い人が多い(もちろん、根っからの悪人もいるけれど・・・)。
『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』シーズン4
— Rio (@nami11star1) May 29, 2023
あああ…終わってしまった…
これまでのシーズンで1番面白かった…🥺
最後の2話は涙無くして見れなかった。
やっぱり、色んな人が集まると人種ごとのグループになっちゃうのか…
どのキャラクターに対しても思い入れ強くなってきた! pic.twitter.com/GNm41e0aah
以下、ネタバレが含まれますのでご注意ください。
白人VS黒人VSヒスパニック
多様性の国・アメリカの女性刑務所が舞台ということもあり、刑務所の囚人は
- 白人
- 黒人
- ヒスパニック
- アジア人
と、人種も多岐に渡ります。
少し前にニュースにもなっていましたが、アメリカでは人口に占める白人の割合が6割を切り、さらに20年後には5割を下回る予測もあるそうです。
ますますアメリカは人種の多様化が進んでいくのでしょうか。
人は、自分と似た人・共通点のある人に親近感を覚えるという性質があるため、バックグランドや見た目などで共通点の多い、同じ人種の人同士でつるむことが多いのかもしれません。
(c) 公式ウェブサイトより
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今回のシーズンは特に、2人の黒人キャラクターの扱いに見ていて辛い場面がありました。
なんといってもプッセイ・・・
性格も頭も良くて、出所した後はきっと明るい人生が待っているんじゃないかと思わせてくれるような、希望を一番感じるキャラクターだったからなおさら、最後の2話は見ていて辛かった・・・
(c) 公式ウェブサイトより
同じように、首を膝で押さえつけられたことが原因で亡くなってしまった黒人さんの実際の事件のニュースを思い出さずにはいられません。
※このシーズンは21016年に放送され、ジョージ・フロイドの事件はそれより後の2020年の出来事です
さらにツラいのは、事件を起こしてしまったのがベイリーだったこと。
今シーズンから増えた多くのサイコパス看守の中でも、一番人間味があるキャラクターだからこそ、故意ではないとはいえ、見てる私も思い切り責めてしまうしそれもつらい。。。
そしてソフィア。
前のシーズンで、他の囚人とのトラブルで懲罰房行きとなり、シーズン1や2ですごく強くて輝いていたソフィアとは思えないほどボロボロになって・・・
どちらのケースも黒人を理由とした人種差別というわけではないけれども、好きなキャラクターが理不尽なことで苦しんでしまう姿を見るのは心が痛かった。
懲罰房行きのきっかけとなったグロリアが、戻ってきた後とても親切にして気にかけてくれているのがよかったけれど(グロリアも、根はすごく良い人なんだよね)。
ちなみに、ソフィアを演じたのは、実際に男性から女性になったトランスジェンダーの女優さん。見た目だけでなく、ソフィアの心情や表情といった表現がとてもリアルかつ繊細なのも、自身に似た境遇だからかもしれません。
アメリカの刑務所の民営化
今シーズンの一つの大きなテーマが、刑務所の民営化。
刑務所の運営をめぐり、利益の追求が最優先となってしまい、刑務所の在り方や受刑者の利益は二の次にされ、またプッセイの悲劇が起きた際も「会社へのダメージを極力抑えるため」という点ばかりが優先されていて、見ていて悲しくなりました。。。
(c) 公式ウェブサイトより
この問題は、ドラマの中だけでなく実際のアメリカ社会でも課題とされています。
民営化には、
- 民間のノウハウを活かすことができる
- 民間同士の競争を取り入れることで、システム向上が期待できる
- 税金投入額が減り、一般納税者の負担軽減になる
といった多くのメリットがある一方で、
- 利益の追求が最優先になり、刑務所の設備やスタッフへの投資が疎かになる
- 施設内の矯正プログラムや医療サービスなどが縮小され、本来果たすべき刑務所の役割が不十分になる
といった問題点も指摘されています。
実際にアメリカでも、利益追求にためにスタッフの人数を減らしたり待遇を下げたりした結果、一人当たりのスタッフにかかる負担が重くなり、看守による過剰な暴力や設備内のサービスが必要な人に行き渡らないといったことも明らかになっているそうです。
今作では、刑務所の経営を民間に委託することで、
- 設備の修繕の放置
- 高圧的に囚人を制圧しようとする看守
- 食事などのサービスの質の低下
といった多くの問題点が描かれていていました。
日本にも、民間と国が協働して運営する刑務所が存在します。
初級の受刑者かつ集団生活を問題なく行える受刑者に限って入所できるそうで、あまり多くの受刑者が対象になっているようではないですが、かなり近代的かつ快適に過ごせる施設のよう。
ストーリーとしてストーリーとしてもかなりクリフハンガーな終わり方だった今シーズン。民間に運営主体が移ったが故に大混乱に陥ったこの刑務所や囚人たちがどうなるのか、とっても気になります!!
他の見どころをまとめて
シーズン4は、冒頭でも触れた通り個人的にはこれまででベストなシーズンでした!
挙げたらきりがないけれど、、、
- ニッキー、おかえり!
- 追い詰められるアレックス
- 調子に乗ったパイパーへのしっぺ返し
- ヒーリー、意外といい奴だった・・・見直した!
- 花壇にアレ埋めちゃうんですか・・・
(c) 公式ウェブサイトより
今回も13話、あっという間でした。
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